ラズパイと合わせても1万円以下
スマートスピーカーは自作できる! 3千円で買える「Google AIY Voice Kit」レビュー
冊子には作業ステップごとに写真が掲載されているため、迷う箇所はほとんどない。スピーカーやマイクの配線はソケットを差し込むだけ、マイク基板は両面テープで固定しろと書かれているが、素材が段ボールなだけに細かいことを気にしてはいけない。
ただし、慌てて組み立てるとRaspberry Piが浮き上がってしまい、なんとも不格好な仕上がりになってしまうため、段ボールにはしっかり折り目をつけたほうがいい。
システムソフトウェアには、ARM向けLinuxディストリビューションのカスタマイズ版を利用する。キットに付属する拡張ボードのドライバが収録されており、イメージファイルをmicroSDカードに書き込めば起動の準備は完了だ。
その後、ディスプレイにHDMIケーブルでつなぎ、USBキーボード/マウスをRaspberry Piに接続してセットアップを続行することになるが、筆者はSSHでリモートログインして作業することにした。
UNIX/Linuxの話になるので具体的な手順は省略するが、最初はEthernetで接続してWi-Fiのセットアップを済ませ(wpa_supplicant.confの編集)、Google AssistantおよびGoogle Assistant SDK for Pythonの更新を行った。このあたり、マニュアルなしに作業を進められるくらいUNIX/Linuxに習熟していないと厳しいかもしれない。
なお、AIYプロジェクトが配布するOSイメージには、Voice Kitの動作に必要なAPIやサンプルスクリプト一式がプリインストールされているが、これを試すにはGoogle Cloud PlatformのWEBサイトに(ダミーの)開発プロジェクトを用意し、作成した「OAuth client ID」をRaspberry Piにダウンロードしなければならない。
Googleアカウントのアクティビティコントロールで4項目(ウェブとアプリのアクティビティ、ロケーション履歴、端末情報、音声アクティビティ)を有効にしておく必要もある。付属の冊子でも作業手順を具体的に説明してはいるが、Linuxが初めてでクラウド系の開発も未経験という向きには相当にハードルが高い作業だろう。