[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【特別編】ノイキャン性能 "だけ" を比較!ブラインドテストでNCヘッドホン最強モデルを決める
■そもそも静かなカフェ
最後にカフェ店内にて、“静かな環境でのノイズキャンセル効果”をテストした。
この日は周囲のテーブルにお客さんも少なく、聞こえるのは奥の方に座っている人の小さな話し声や空調、時折食器類の音がする程度の比較的静かな環境。ノイズキャンセリングヘッドホンを使えばさらなる静寂を感じられるのか…?
ヘッドホン 1(ソニー「WH-1000XM2」):評価 A
「装着した時よりも、外した時にノイズキャンセル効果のインパクトを感じました」とのこと。総じて静かな環境では差が分かりにくかったようだが、本機は遮音性の高いヘッドホンのようなナチュラルなノイズキャンセリング効果といった感じ。空調の音などはしっかり抑えられていて、店内に流れるBGMや、お皿やカップなど食器類の音などは聞こえる。編集部員との会話も普通にできた。
ヘッドホン 2(デノン「AH-GC20」):評価 A
こちらもナチュラルな効果でヘッドホンを外した時に実感するタイプ。1つ目よりも少しノイズキャンセリング効果が抑えられた印象で、こちらも空調だったり空気の音は抑えられているが、会話はしっかりできる。シチュエーションによって効果の感じ方が変わりそうな印象だと高橋氏。
ヘッドホン 3(ボーズ「QC35 II」):評価 A+
ノイズキャンセリングしている、という感覚が一番強い。静かなところでも感じられる、ノイズキャンセリングっぽい空気の圧のような感じが少しあり、人によってはそれが気になってしまう場合もあるかもしれない。雑音の消し方として色で表現すると、透明にするというより、真っ白にしてくれる感覚。「とにかく静かにしたいという時に良い。モード切り替えやレベル調整ができるならなお良いと思います」とのこと。
ということで、計3カ所でのテストを終えて会議室に帰還。ここまで各シチュエーションで使用したヘッドホンの答え合わせを行った。各ヘッドホンを見ても、いずれもド定番のモデルばかりということもあってか、テスト中にうすうす気づいていた様子。驚きは少なかったようだ。
各シチュエーションでの評価をまとめると、ソニー「WH-1000XM2」はS/A+/A、ボーズ「QC35 II」はA+/S/A+、デノン「AH-GC20」はA/A+/Aという結果になった。最後に高橋氏に今回のテスト結果を総評してもらった。
デノンは常に「いい感じ」のノイズキャンセル効果がありましたね。ソニーは駅のホームで、ボーズは駅前の雑踏でかなり高い効果があってすごかったです。どちらも高い効果がある分、アプリでその効かせ具合を調整できるという方法を採っているのは正解だと思いました。
いずれのヘッドホンも、どんなシチュエーションにおいても高いノイズキャンセリング効果を発揮! 周囲の雑音をきちんと抑え、音楽を聴く時により集中して楽しめる環境を作り出しているようだ。NC機能付きヘッドホンを検討されている方は、検証結果をひとつの事例として見てもらえるとありがたい。
(記事企画・執筆・構成:高橋敦&ファイルウェブ編集部)