ベルギーで試乗。Auro-3Dの技術を採用
ポルシェ×ブルメスターのハイエンドカーオーディオを体験! 家庭用でも稀な “良質な低音” の理由
システムには3Dサラウンド・インテンシティと呼ばれる機能が用意され、3D効果の強さを9段階に設定できる。自然な立体感を再現するとされるレベル5〜レベル7を中心に曲によって微調整しながら聴き進めていった。
3Dサラウンドという名称から周囲を取り囲む広がり感を連想しがちだが、強度をレベル8以上に上げない限り、そこまで極端な包囲感が生まれることはない。それよりも声や旋律楽器の定位が明瞭になり、音像の重心がスッと上に上がる効果が大きい。しかも、声のイメージ自体は引き締まったままで、ホログラフィックな声や楽器のイメージがダッシュボードよりも高めの位置に浮かび上がる。
オーケストラやピアノなどクラシック作品を3Dサラウンドモードで再生すると、直接音と間接音の立体的な関係を聴き取ることができる。特に余韻が消える瞬間まで耳で空気の動きを追える感覚はこれまでクルマのなかではほとんど味わうことができなかったものだ。個々の楽器は発音源の位置を正確に示せるほどピンポイントで定位するのに対して、残響はシームレスに空間を満たし、クルマのなかがコンサートホールのように感じられる。エンジン音やロードノイズが車内にほとんど侵入しないこともあり、これまで車内では体験できなかったような臨場感に包みこまれる。
ブルメスター3DサウンドシステムにはポルシェとAuro3Dの技術が数多く投入されているが、なかでもAuro-3Dのイマーシブオーディオ理論が大きな役割を演じていることに注目する必要がある。次回は、Auro3D創始者であるヴィルフリート・ヴァン・ベーレン氏が紹介するギャラクシースタジオの全貌をご紹介する。
(山之内 正)