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ベルギーで試乗。Auro-3Dの技術を採用

ポルシェ×ブルメスターのハイエンドカーオーディオを体験! 家庭用でも稀な “良質な低音” の理由

公開日 2018/01/30 12:03 山之内 正
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ポルシェに搭載されたブルメスター3Dサウンドシステムを体験

ホームオーディオと同様、カーオーディオもハイエンドの世界は奥が深い。しかも駆動方式の変化に伴って車内が静かになり、良い音を求める欲求はこれからますます強くなりそうだ。

試乗車の姉妹モデル「パナメーラ ターボS Eハイブリッド スポーツツーリスモ」

それに応える提案が相次ぐなか、ついに3Dオーディオを導入したハイエンドシステムが登場した。その代表格である「ブルメスター3Dハイエンド・サラウンド・サウンドシステム(以下ブルメスター3Dサウンドシステム)」をポルシェのパナメーラで体験することができたので、試聴レポートをお届けする。

同システムの基本コンセプトの構築と回路及び音響面の設計はポルシェとブルメスターが共同で取り組み、3Dオーディオ技術の導入にはAuro 3Dの協力を得ている。その3社が進めたプロジェクトの詳細を紹介するプレスイベント「ポルシェ・サウンド・デイ」が昨年11月下旬にベルギーで開催された。

Andreas Henke氏 ブルメスターCEO(左)。かつてポルシェに在籍し、2年前にブルメスターCEOに就任した異色の経歴の持ち主

ポルシェで音響エンジニアを務めるStephan Bayer氏

筆者は同システムを搭載したパナメーラの試乗&試聴、そしてブリュッセル近郊のギャラクシースタジオのツアーを体験することができた。まずはブルメスター3Dサウンドシステムの概要とサウンドを紹介することにしよう。

自動車メーカーであるポルシェが深い部分にまで音質設計に関わる

ブルメスター3Dサウンドシステムはポルシェのパナメーラとカイエンに用意される豊富なオプションの一つとして提供されたもので、ポルシェが採用するカスタム設計の車載オーディオシステムとしては最上位に位置付けられる。すべての操作はセンターコンソール上部の12.3型ディスプレイに表示されるタッチセンサーで行うスタイルを採用する。

ブルメスター3Dサラウンドシステムはセンターコンソールの12.3型ディスプレイですべての操作を行う

画面レイアウトは配置や機能の表示/非表示を自在にカスタマイズできる

ちなみにこの大型タブレット並みのディスプレイはナビ画面や車両の設定画面も兼ねた多目的モニターで、高コントラストで高精細、ドライバーの視線移動が少ない配置を工夫しており、操作性は予想以上に良好だ。

助手席下にはコンパクトな筐体に収めたクラスDパワーアンプ、ラゲッジスペースには専用設計のサブウーファーと専用アンプをそれぞれ格納。スピーカーユニットはサブウーファーを含めると計21個に及び(詳細は下のイラスト参照)、総合出力1455Wの強力なアンプ群で駆動する。

ユニット構成の内訳は次の通り:トゥイーターはフロント3個にリアドアとDピラー各2個ずつで計7個、ミッドレンジも同様に7個、ウーファーはフロントが220mm、リアが200mmのユニットを各2個ずつで計4個、さらにAピラーにフルレンジのハイト専用ユニットを計2個、ラゲージルームにサブウーファー1個

オーディオシステムの基本設計はブルメスターとポルシェが共同で取り組んでいると紹介したが、意外だったのは自動車メーカーであるポルシェがかなり深い部分まで音響設計に関わっていることだ。特にスピーカーユニットの選択と固定方法はドアやピラーの構造と密接に関わるため、ユニット選びや構造設計は基本的にポルシェの音響エンジニアが担当する。ピラー内部に仕込まれたエアバッグとの干渉を避けるなど安全確保に万全を期すのはもちろんだが、クルマとスピーカーユニットそれぞれの振動対策も入念に吟味し、音質への影響を最小限に抑えたという。

クラスDアンプのメイン基板。信号レベルに応じて駆動電力を5段階で切り替えるオンデマンドパワーサプライ方式を採用

ユニット選びのこだわりもホームオーディオ顔負けで、フロントに3基のAMTを採用するほか、すべてのミッドレンジとウーファーはフレームにアルミダイキャストを採用する点が目を引く。ちなみにフロント用トゥイーターとして採用したAMTは振動系質量を半減しながら効率を6dB改善した新世代のユニットで、今回のパナメーラとカイエンのために新たに開発されたものだという。

新世代のAMTユニット。効率改善と軽量化により駆動電力を4分の1に低減することに成功

新開発のAMTユニットの振動板は、従来のユニットに比べて約50%の軽量化が図られている


Auro-3Dによる3Dサラウンド再生に対応

パナメーラは初代モデルにもブルメスター製ハイエンドオーディオシステムを用意していたが、先代では計16個のユニットを車内に配置していた。ユニットが5個増えたのはもちろんAuro-3Dを用いた3Dサラウンド再生を実現するためで、Aピラーにフルレンジ、Dピラーにトゥイーターを配置する。

これら追加されたユニットの役割はハイトチャンネルが受け持つ反射音を適切に再生することにあり、3Dサラウンド以外のモードを選んだ場合は基本的にこれらのユニットが音を出すことはない。

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