軽量＆洗練されたデザインに真面目な音作り ー フィリップスのワイヤレスヘッドホン「SHB4805」を聴く

オリビア・ニュートン・ジョンのベストアルバムから代表曲の『フィジカル』では、エレキギターのカッティングをジャキっと歯切れ良く響かせる。軽やかに弾むタイトなリズムセクションが心地よい。音像はやや小振りだが、活き活きとした華やかなボーカルを聴かせてくれるところがこのヘッドホンの大きな魅力だ。

アル・ジャロウのベストアルバムから『Moonlighting』では、甘いボーカルと柔らかなエレキピアノのハーモニーが静かに溶け合う。ベースやキックドラムの量感は太くなり過ぎず、堅実に曲の展開を導いていく安定感がある。パーカッションの乾いた余韻がゆっくりと染みてきた。派手に個性を演出せずに、ミュージシャンの演奏に対して忠実に応える真面目な音づくりはフィリップスの歴代銘機から続く血統。これをしっかりと受け継いだ、デザインと音質の両方にこだわったヘッドホンだ。

本体はコンパクトに折り畳めるコラプシブル設計なので、スペースを有効に使って持ち歩けることに加え、密閉型のハウジングは遮音性も高く、旅行先で静かに音楽を聴く際にも軽くてオススメだ。

フィリップスが提案する「スタイリッシュなBluetoothリスニング」の最先端がこの1台に詰まった、充実のワイヤレスヘッドホンだ。なお、本機はワイヤレス専用なので、もし有線リスニングをメインに考えているのであればワイヤードモデルの「SHL4805」という選択肢もある。バラエティ豊かなFliteシリーズにぜひ注目してほしい。

（山本 敦）

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■編集部・川田が実際に使ってみた
着けているのを忘れるほど超軽量。聴き疲れしない音質で、長時間使用も余裕

今回私は「SHB4805」のローズゴールドカラーを選択。スタイリッシュなデザインが特徴のFliteシリーズは、“美しさ”もコンセプトの1つとあって、真っ白なバンド部にイヤークッション、イヤーカップのメタリックな光沢感と、シンプルながらどの部分も上品で質感もいい。特にイヤークッションのソフトレザーは見た目以上に柔らかくて気持ち良い素材で、つい触ってしまう。長い時間装着していても耳が痛くなったりせず、装着感も快適だった。

実際に使ってみて、質量135gという超軽量設計のありがたさも実感。首にかけてもストレスがないし、もちろんカバンに入れて持ち歩いても、荷物が増えて重たい…とう負担がない。もう一つのコンセプトである“快適さ”は、こうした装着感や手軽さの面で実現されているようだ。