2,000万画素CMOSを2基搭載
かんたん・お手頃価格で4K/360度撮影! エレコム「OMNI shot」レビュー
■スマホにつないで操作も簡単
それではOMNI shotの実機をハンドリングしてみよう。専用のスマホアプリ「OMNI shot」はiOS/Android版ともにリリースされているが、今回はiPhone Xにペアリングして使ってみた。
OMNI shotはスマホがなくても単体で動画・静止画を撮ることもできる。本体にはモノクロ表示の小さな液晶が搭載されていて、本体の「MODE」ボタンをクリックすると撮影モードが切り替わる。ショットボタンを押すと小音量で“カチカチッ”と鳴ってファイルが記録される。
ただ、撮影時のビューファインダーとして、あるいは撮影したファイルの再生確認にはやはりスマホの画面が欲しくなる。マニュアルで値を設定できる露出補正や、明暗のレンジを最適化して色合いも自然に整える「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」の機能なども、オン・オフを設定するためにはアプリによる操作が必要だ。ただ、カメラに電源が入っていれば、取り急ぎショットボタンを押してシャッターチャンスが捉まえられるということを覚えておこう。
カメラとペアリングする前段階として、スマホのBluetoothとWi-Fiをオンにしておく。OMNI shotアプリを立ち上げたら、画面右側のメニューから設定アイコンをタップするとリストに「MyCamera」が表示される。これを選択すると数秒後に機器どうしがつながる仕組みだ。右側のメニューからカメラのかたちをした撮影アイコンをタップすると、Wi-Fi設定から「MyCamera」の選択とパスワードの入力をうながされるので、これを済ませれば接続完了だ。
撮影は1月に都内でも大雪が降った翌日に、地元の公園で午前中に撮ってみた雪景色のほか、秋葉原のお昼時の駅前広場、ならびに日が暮れたあとの荻窪駅前で夜景を撮ってテストした。
動画は4Kと2Kで撮影。静止画も3種類の画質を撮り比べた。まずは秋葉原の昼間の映像を見てもらおう。
撮影は片手にカメラを構え、全天球撮影をしたいので高めに掲げる。もう片方の手でスマホの画面をみながらシャッターを操作するという格好だ。自分の映り込みをなるべく避けたいのであれば、カメラに簡易な一脚スタンドを装着すれば、手を上げ続けて疲れることもないだろう。撮影時にスマホを落としてしまうのも怖いので、手首に固定するバンドが付けられるスマホケースなどが用意できたらベターだ。
カメラで撮影したファイルはOMNI shotアプリのビュワー画面にずらりと並ぶ。右上にあるプレビューアイコンをタップして、左上のメニューから「スマートフォンギャラリー」と「カメラギャラリー」をプルダウンから選択すると、それぞれのストレージに保存されているファイルがリストに表れる。
静止画については再生したいファイルを選択すると画面に拡大表示される。再生時の表示モードは「パノラマ」「ジャイロ」「スワイプ」のほか、スマホをVRグラスに装着して、カメラで撮影した空間に飛び込んでしまったかのような臨場感が味わえるVRモードがある。エレコムが発売したVRグラス「P-VRGR01シリーズ」に組み合わせると楽しさも倍増しそうだ。
OMNI shotで撮影した全天球の動画・静止画ともに、見たい箇所を指先でスワイプしながらチェックできる「スワイプ」モードが一番シンプルで楽しい。スマホを傾けながら全方位を見渡して、映像のピンチイン・アウト表示ができる「ジャイロ」モードも面白い。
動画をiPhone Xで再生するためには、ファイルをいったんスマートフォンギャラリーにダウンロードする必要がある。ダウンロードした後であれば、4種類のビューモードを切り替えながら端末上で動画の仕上がりを確認したり、ライブストリーミングやカメラロールへの保存、メールやメッセージアプリでのシェアができるようになる。
OMNI shotで撮影した素材をPCに取り込んでから編集・再生するソフトは特に用意されていないが、とにかく撮った素材をスマホなど手近な端末ですぐに再生しながら、家族や友だちと一緒にわいわいと賑やかに楽しむのが本機らしいスタイルだと思う。