B&O共通の「Beolink Multiroom」も対応
上質なデザインと音で部屋を彩る多機能ワイヤレススピーカー、B&O PLAY「Beoplay M3」レビュー
デンマーク・デザインのスピーカーブランド『B&O PLAY』。デザイン志向のオーディオ製品を数多く手がけるブランドの最新モデルが「あなたの家を美しく、本格的な音楽で満たしてくれるワイヤレススピーカー」を謳う「Beoplay M3」だ(発売ニュース)。
M3は、BluetoothだけでなくWi-Fiも内蔵し、AirPlay、Chromecast built-in、そして“BANG & OLUFSEN”ブランドと共通の「Beolink Multiroom」などに対応した、多機能ワイヤレススピーカーとも言うべき存在だ。
実際にM3に触れてみると、その意匠はまさに「ルームオーディオ」という言葉がふさわしい。緩やかなカーブを描く楕円形のボディは上質さを漂わせるデザインで、スピーカーユニットを内蔵するフロントカバーは交換可能なファブリックパネルを採用。日本発売モデルのファブリックは「Beoplay A6」以来のコラボレーションとなるデンマークの繊維会社・Kvadrat社によるもので、部屋に調和するデザインに一役買っている。
スピーカーユニットは、3.75インチ・ロングストロークミッドレンジウーファー、3/4インチ・トゥイーターを1基を搭載し、ウーファー/トゥイーターにそれぞれ40Wのアンプを内蔵している。11.2W×15.1H×14Dcmの筐体は、質量が1.46kgと、手に持つと見た目以上に重い。美しいデザインと共にオーディオ設計にもこだわったモデルであることが分かる。
本体のボタン類は背面にある電源とボリュームのみだが、本体底面のパネル内に電源端子と共に、3.5mmライン入力とmicroUSB端子を搭載しており、機能性も十分だ。
■ボリュームある低音で現代的なサウンド。クラスを超えた高い完成度
早速、M3をiPhone 8とペアリングして音楽を再生してみた。映画「ラ・ラ・ランド」サントラのジャズ音源『アナザー・デイ・オブ・サン』を聴くと、重低音にボリューム感を出した現代的なサウンドが感じられる。特にウッドベースには心地良い響きが鳴り、ピアノの音はナチュラルに響き渡る。
RADWIMPSの『前前前世 (movie ver.) 』では、ベースの重厚と共に、バスドラムの刻みを余裕たっぷりの駆動力で鳴らし切る。Suchmosの『YMM』の存在感ある低音が部屋を満たし、まさにクラスを越えた完成度の高さだ。テイラー・スウィフトの『Shake It off』のような、低音に弾けるようなエネルギーを持たせた洋楽の音作りとの相性も良い。
さて、M3を使いこなす上でぜひとも試して欲しいのが「BeoPlay」アプリだ。M3とスマホをBluetoothペアリングしてからアプリに接続すると、自宅内のWi-Fiアクセスポイントを登録し、Wi-Fiスピーカーとして利用可能となる。
特にオーディオファンにとって使いこなし甲斐があるのが“TONES TOUCH”だ。これは、WARM/EXCITED/RELAXED/BRIGHTの4軸でサウンドをカスタムできるもので、僕が試した効果として“WARM”はナチュラル志向、“EXCITED”は音圧感、“BRIGHT”はボーカルのクリアネス、“RELAXED”は音の広がり志向といったところ。ポイントを指定するスタイルなので、強さだけでなく、隣接する軸とのバランスもセットできる。
M3は、基本的に低音が強めながらナチュラルな音調だ。僕がボーカル曲を聴く際に選んだのは、EXCITEDとBRIGHTのちょうど中間程度で、ボーカル音源の声の張り出しも向上し、邦楽ともよりマッチした。また“SOUND PROFILE”でFreeから、Wall/Cornerに切り替えると低音の量感も抑えられる。
スマホとの連携も自由度が高い。アプリで自宅Wi-Fiの登録さえ済ませてしまえば、iPhoneユーザーなら自動的にAirPlayでM3から再生できるし、Chromecast built-inのおかげで各種定額音楽配信サービスもカバーしている。「Beolink Multiroom」からはTuneIn、QPlay、Deezerとのサービス連携も提供されている。
ワイヤレススピーカーの中でも、インテリアに調和するデザインと共に、Bluetooth、そしてWi-Fiと最新の音楽シーンにマッチした機能を提供する「Beoplay M3」。家の中に置いてお気に入りの定額音楽配信でゆったりと音楽に浸る、そんなスタイルで使いこなしたくなる、上質志向のルームスピーカーだ。