人気シリーズがさらに進化した
ティアックの新ネットワークプレーヤー/USB-DAC「NT-505」レビュー。「CG-10M」からのクロック入力も試す
■厚みとスケール感のある音調。ハイエンドモデル級だ
いよいよ試聴だ。いろいろなハイレゾ音源を再生し、その音に魅了された。中低域に厚みをもたせたピラミッド型バランスの音調が大きな魅力で、音の立ち上がりや押し出しにスケール感を感じる。高域も伸びているが過剰な刺激が無く、薄手の高域となっていないところがとても良い。
11.2MHzDSDをUSBで再生してみても、高域がむやみに華やかにならず、自然で、トランジェントの良さを感じる。トランペット、サックス、シンバルの響き(倍音)も見事だが、これとは相反する弦楽オーケストラでも、高密度で膨らみのある響きをきちんと描写してくれる。
もっと簡潔に表現するなら、「わずかに暖色系の音色だが、搭載されている技術が反映され、音像や倍音は高密度。弱音を汚れ無く、美しく再現する。音のレスポンスの速さも俊敏である」ということになる。
まさにハイエンドモデルの音である。ちなみにUD-505は音の輪郭が明瞭で、NT-505は音に柔らかみを感じさせるところが若干の違いだ。
前述したアップコンバート機能も実に魅力的だ。192kHz/24bitのハイレゾ音源を384kHz/24bitや11.2MHzDSDに変換した音は、アナログライクな質感となり、好きである。DSD フィルターはWideよりNarrowが良いかな、など、スタジオの高品位なデジタルイコライザーのイメージで音質を探れるところも、とても良い。
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