[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第207回】安定性◎の完全ワイヤレスイヤホンからガチDACまで、「ヘッドフォン祭2018」高橋敦のベスト5
【第3位】ちっちぇッ!SHANLING「M0」
音質が良いだとか、バランス駆動がどうだとか、そういう話だけなら今時それをクリアするDAPは珍しくない。だからこそ、それとは別のところで存在意義をアピールする製品にこそ注目したい。
そこでSHANLING「M0」!実売1万6000円程度。
見ての通り、小さい!それでいてバッテリー駆動は15時間だし、この小ささで240×240だからアートワーク表示も気になるほど粗くはない、操作性も音質も引っかかるところはなかった。LDACとかUSB-Cとか細かなスペックも充実。強い!とにかく最大のポイントは「小さい!」。
【第2位】超使いやすいACTIVO「CT10」
DAPでは、以前から参考展示はされていたACTIVO「CT10」が祭の前日に遂に発売を迎え、製品として出展された。実売3万7000円程度。
このDAP、何が素晴らしいかって操作性が素晴らしい。基本的にはAstell & Kern「A&ultima SP1000」と同世代のインターフェースデザインを、こちらの製品向けに調整したものだと思うのだが、そのインターフェースが「40万円でございます」なSP1000と同レベルにさくさく動く。
「AK70 MKII」にこのインターフェースが採用されなかったのは、CPU速度やバッテリー容量との兼ね合いだったそうだ。対してこちらはクアッドコアCPUで処理速度を稼ぎ、バランス駆動非対応のオーディオモジュールで消費電力は下げ、バッテリースペースは稼いでいると推測できる。特に「バランス駆動非対応」という選択はAKシリーズでは難しいだろう。新ブランドだからこそできた、戦略的なモデルだ。
そのインターフェースのポイントは「ディスプレイ上下左右からのスワイプ操作」。スマートフォンの通知センターやコントロールセンターのような感じで、ホーム、再生リスト、コントロールセンター、再生中の曲の画面を呼び出せる。そしてそのどれかの画面を呼び出してそこにあるメニューやボタンを眺めれば、だいたいの操作や設定に何となく感覚的にたどり着けるのだ。
他にも例えば、「Bluetooth」ボタンを押せばオンオフの切り替え、長押しすればBluetooth設定画面の呼び出しといったあたりもスマホ感覚で何となくわかりやすい。この「何となく」が通じるというのが快適!
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