上位モデルや過去の銘機とも比較試聴
デノンの準旗艦ヘッドホン「AH-D5200」レビュー。ゼブラウッドハウジングがもたらすリアルなサウンド
デノンのフラグシップヘッドホンの思想を継承する、プレミアムクラスの密閉ダイナミック型ヘッドホン「AH-D5200」。木製ハウジングを採用した“リアルウッドシリーズ”にラインナップする準旗艦モデルの実力と魅力を、評論家・岩井喬氏が検証した。
■ゼブラウッド製ハウジング採用の準旗艦機「AH-D5200」
ウォルナット製ウッドハウジングを用いたデノンのフラッグシップヘッドホン「AH-D7200」(関連ニュース)は、かつての名機「AH-D7000」(関連ニュース)を彷彿とさせるフォルムを復活させたことで大きな話題となった。
そしてその弟分となる「AH-D5200」がこの春に誕生。AH-D7200の意匠を取り入れた下位モデルとして注目を集めている。
本機についても、AH-D7000と同時期に展開していたウッドハウジング採用モデル「AH-D5000」(関連ニュース)の再来という声もあり、AH-D7000とAH-D5000におけるサウンドキャラクターの違い・音質傾向が、今回のAH-D5200にも当てはまるのか、気になっているマニアも少なくないだろう。
■デノン木製ハウジングヘッドホンの変遷
その起源たるAH-D5000は2007年に登場。AH-D7000はそれから少し遅れた2008年に登場しており、一時はAH-D5000がデノンヘッドホンのフラッグシップであった。この2モデルに加え、同じデザインを採用しつつ通常の樹脂製ハウジング仕様とした弟機「AH-D2000」、さらにこの下のエントリー機「AH-D1000」(関連ニュース)と、いずれも人気を博していた。
それからヘッドホン市場は高級機路線が加速。2012年にはAH-D5000、AH-D7000の後継となる「AH-D600(純然たる後継機というよりは価格帯を継承したといった方が正しいかもしれない)」「AH-D7100」(関連ニュース)が登場。この2012年モデルは開発の主導権を握っていたアメリカサイドの意向が強く反映された先鋭的なデザインが採用されたのだが、そのスタイルには当初から賛否が分かれていた。音質的進化はあったものの、従来モデルのファンの期待からは外れた結果となったことは否めなかったと思う。この点はデノンも認識しており、2016年に登場した現行のフラッグシップ機AH-D7200で原点回帰を果たすことになったのだ。
■フラグシップヘッドホン「AH-D7200」の技術や構造を継承
前置きが長くなってしまったが、ここで改めてAH-D5200の詳細を確認してみたい。アルミダイキャスト製ハンガーをはじめとする基幹パーツはAH-D7200譲りであり、そのフォルムも継承し、マットな木肌を生かした天然木ハウジングを採用している。
木材の種類については、AH-D7200で用いられたウォルナットよりも硬く、鳴きの少ない締まった音色が特徴のゼブラウッドを取り入れた。色味もより黒さが増しており、落ち着きのある大人びた風合いがさらに高まっているようだ。
ドライバーユニットは一般的なドーム形状ではなく、スピーカーユニットの構造と同じ、振動板外周をロールエッジで支持するフリーエッジ構造を取り入れた50mmドライバーを搭載。振動板全域に渡って均一なピストンモーションを可能とし、低歪で正確な音再現と量感豊かな低域再生を実現している。
ボイスコイルには軽量で反応の良いCCAWを取り入れた。さらに振動板前後の音圧バランスを調整するアコースティック・オプティマイザーも引き続き採用。ケーブルは左右両出し・布巻き着脱仕様で、線材には4N OFCを用いている。
ヘッドバンド構造は本機専用に設計を見直したほか、イヤーパッドには一般的なものに比べ2倍の耐久性を持つという人工皮革を採用。3次元縫製に加え、内部の形状記憶フォーム(低反発ウレタン)によって快適な側圧感・装着性を実現している。
■ゼブラウッド製ハウジング採用の準旗艦機「AH-D5200」
ウォルナット製ウッドハウジングを用いたデノンのフラッグシップヘッドホン「AH-D7200」(関連ニュース)は、かつての名機「AH-D7000」(関連ニュース)を彷彿とさせるフォルムを復活させたことで大きな話題となった。
そしてその弟分となる「AH-D5200」がこの春に誕生。AH-D7200の意匠を取り入れた下位モデルとして注目を集めている。
本機についても、AH-D7000と同時期に展開していたウッドハウジング採用モデル「AH-D5000」(関連ニュース)の再来という声もあり、AH-D7000とAH-D5000におけるサウンドキャラクターの違い・音質傾向が、今回のAH-D5200にも当てはまるのか、気になっているマニアも少なくないだろう。
■デノン木製ハウジングヘッドホンの変遷
その起源たるAH-D5000は2007年に登場。AH-D7000はそれから少し遅れた2008年に登場しており、一時はAH-D5000がデノンヘッドホンのフラッグシップであった。この2モデルに加え、同じデザインを採用しつつ通常の樹脂製ハウジング仕様とした弟機「AH-D2000」、さらにこの下のエントリー機「AH-D1000」(関連ニュース)と、いずれも人気を博していた。
それからヘッドホン市場は高級機路線が加速。2012年にはAH-D5000、AH-D7000の後継となる「AH-D600(純然たる後継機というよりは価格帯を継承したといった方が正しいかもしれない)」「AH-D7100」(関連ニュース)が登場。この2012年モデルは開発の主導権を握っていたアメリカサイドの意向が強く反映された先鋭的なデザインが採用されたのだが、そのスタイルには当初から賛否が分かれていた。音質的進化はあったものの、従来モデルのファンの期待からは外れた結果となったことは否めなかったと思う。この点はデノンも認識しており、2016年に登場した現行のフラッグシップ機AH-D7200で原点回帰を果たすことになったのだ。
■フラグシップヘッドホン「AH-D7200」の技術や構造を継承
前置きが長くなってしまったが、ここで改めてAH-D5200の詳細を確認してみたい。アルミダイキャスト製ハンガーをはじめとする基幹パーツはAH-D7200譲りであり、そのフォルムも継承し、マットな木肌を生かした天然木ハウジングを採用している。
木材の種類については、AH-D7200で用いられたウォルナットよりも硬く、鳴きの少ない締まった音色が特徴のゼブラウッドを取り入れた。色味もより黒さが増しており、落ち着きのある大人びた風合いがさらに高まっているようだ。
ドライバーユニットは一般的なドーム形状ではなく、スピーカーユニットの構造と同じ、振動板外周をロールエッジで支持するフリーエッジ構造を取り入れた50mmドライバーを搭載。振動板全域に渡って均一なピストンモーションを可能とし、低歪で正確な音再現と量感豊かな低域再生を実現している。
ボイスコイルには軽量で反応の良いCCAWを取り入れた。さらに振動板前後の音圧バランスを調整するアコースティック・オプティマイザーも引き続き採用。ケーブルは左右両出し・布巻き着脱仕様で、線材には4N OFCを用いている。
ヘッドバンド構造は本機専用に設計を見直したほか、イヤーパッドには一般的なものに比べ2倍の耐久性を持つという人工皮革を採用。3次元縫製に加え、内部の形状記憶フォーム(低反発ウレタン)によって快適な側圧感・装着性を実現している。