同社アンプとの組み合わせ試聴も
ラックスマンの旗艦ケーブル「15000シリーズ」レビュー。無色ゆえにソースの色彩を引き出せる
さてこのシリーズでは、これまでの6N銅線に代わって、7NクラスのD.U.C.C.を採用した。三菱電線工業の高純度銅線で「Dia Ultra Crystallized Copper」という。高純度化だけでなく、結晶の方向性まで管理して製造される品位の高い導体である。
ライン・ケーブルはこの導体を2芯シールドとし、L/R各2本の芯線を並列に配置している。絶縁はポリエチレンで、シールド線は無酸素銅としている。同じ無酸素銅のドレイン線も装備する。
このほか内部被覆には、非磁性のカーボンを主体とした顔料を使用。端子はRCAが新開発のオリジナル品、XLRにはノイトリック製を採用した。
スピーカー・ケーブルもほぼ同様の構成だが、L/Rは別々である。芯線はD.U.C.C.のほかに無酸素銅も加えている。シールドはなく、無酸素銅のドレイン線だけがホット/コールドの間に配置された構造だ。絶縁はやはりポリエチレン、端末はYラグで処理されている。
両者共通の装備として、アルミカバーを使用した可動分岐ホルダーが新たに開発された。配線時にL/R間またはホット/コールド間を分ける場合、長さを任意に調節した上で分岐部分を止めることができ、このホルダーが前後に動かせるというものである。外観や性能を損なわずに、自由に処理が行えるよう考えられた装備である。
■各モデルを試聴。バランス良くストレートな再現性
ライン・ケーブルはエネルギーの通りが良く、引っかかりのない出方で、レンジも広くレスポンスに偏りがない。いたって無色でバランスの取れた鳴り方をする。
ピアノはタッチの質感が厚手だがぼってりすることはなく、高低両端へ素直に伸びて、水膨れしたような無駄な響きが皆無だ。また余韻がクリアな点と抜けが良いのとで、音調全体が伸び伸びとしている。歯切れの良さとふくよかさを併せ持った再現性と言っていい。