【特別企画】ワイヤレスデビューにも買い増しにも
5,000円級Bluetoothイヤホンならラディウス「HP-N100BT」がオススメ! 音・装着感・デザインが揃った良品
男声ボーカルはボズ・スキャッグス「We're all alone」を聴いた。導入部のしっとりとした歌い出しはあくまでふくよかに、それでいてサビのシャウト気味の部分はキレよく再現する。伸ばした声が消えゆく際の余韻も美しい。その裏に流れる流麗なストリングスの滑らかさも出色の仕上がりだ。
続いてジャズの名曲、オスカー・ピーターソン・トリオ「You Look Good to Me」を再生した。深く低く、時には跳ねるように鳴り響くウッドベースを正確に再現。指使いまで見えるようなリアルな表現だ。トライアングルも綺麗に鳴り響き、高域まで素直に伸びている。様々なピアノの音色が楽しめる楽曲だが、時には軽やかに、時には叩きつけるように力強く鳴り、どれもが的確な描写であることに感心させられる。演奏者のねらいが伝わってくるのだ。解析的に音を確かめているつもりが、いつしか演奏に思わずのめり込んでしまう。
今度は人工的で、思い切り音数が多い曲を…と、DA PUMP「U.S.A.」を再生。ユーロビート特有の、煌びやかな複数のシンセサイザー、打ち込みの複雑なパーカッションが全編を通して隙間無く響き渡る曲だが、それぞれの音が埋もれることなく、しっかり解像している。これがSBCの音か、とほぐれの良さに驚かされる。
複雑なトラックの上を流れるISSAのボーカルも、ハイトーンボイスがとことん突き抜け、気持ちよく響く。バックコーラスもそれぞれの声の重なりまで見通せるようだ。しつこいようだが、これが5,000円台のBluetoothイヤホンで聴けるとは、ちょっと信じられない。
試聴中に思わず感動してしまったのが、女性カントリーミュージックグループ、Dixie Chicksの「Landslide」だ。冒頭のバンジョーの切ない響きに思わず引き込まれ、張りのあるコーラスが曲を盛りたてる。いつの間にかワイヤードやワイヤレスなどということを忘れ、楽曲の魅力そのものに引き込まれる。それだけの力が、このイヤホンにはある。
レビューするにあたって、なるべくバイアスがかかることを避けようと、ドライバーなどの情報は音を聴いた後から調べたのだが、ドライバーユニットはφ8.8mmで、ハウジングの小ささに比してかなり大きい。これは、振動板固定用の不要部品を排除した「リングレスダイアフラムボンディング方式」を採用し、ダイヤフラムのサイズを大きく取れるよう工夫したことが理由らしい。
■ハウジングは小型ですっきり。装着しても目立たない
音の良さを説明するだけで、ずいぶん文字数を費やしてしまった。続いて「装着感の良さ」について紹介しよう。
いま書いたように、ハウジングは非常に小さく、しかも円錐に近い形状のため、よりコンパクトに見える。耳に装着した際の見た目もすっきりしており、良い意味で目立たない。