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Roonとも比較した

USBやUPnPより圧倒的に音が良い「LAN DAC」とは何か? スフォルツァートの最新アップデートで検証

公開日 2018/07/27 07:30 逆木 一
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まず、(1)UPnPベースの「ネットワークプレーヤー」として使う方法。別途サーバーが必要になるが、同社の製品にとって最も基本的な使い方である。この時、「音源の再生」はスフォルツァートのプレーヤー自身が担う。

次に、(2)「Roon Readyプレーヤー」として使う方法。スフォルツァートのプレーヤーは(現時点ではUncertifiedながら)Roon Readyに対応しており、RoonのOutputとして機能する。

続いて、(3)「USB-DAC」として使う方法。これはDSP-Vela/Dorado/PavoのオプションのUSB入力を搭載することで可能になる。この時、音源の再生は接続したPCの再生ソフトか、あるいはUSB出力を持つトランスポートが担う。

最後に、今回のアップデートで可能になった(4)「Diretta/LAN DAC」として使う方法。スフォルツァートのプレーヤーはいずれもLAN入力を備えているため、アップデートにより全機種で使用可能になる。この時、音源の再生は接続したPCの再生ソフトが担う。なお、Diretta用のASIOドライバーの関係で、現状組み合わせるPCはWindowsに限られる。

最新ファームでは「Player」内に「Diretta」が追加。これを選択するとLAN DACとして使用可能になる。なお、ネットワークプレーヤーとして使うモードは「UPnP」になる


Diretta用のASIOドライバーを入れたPCからは、LAN DACモードのSFORZATOのプレーヤーは「SFORZATO Diretta」という名称で認識される。筆者のDSP-DoradoはオプションのUSB入力を搭載しているが、そちらの「SFORZATO USB Audio」とは別物ということがわかる


LAN DAC/USB-DAC/UPnPネットワーク再生を聴き比べる

ここからは、実際に筆者のシステムを例として、Diretta/LAN DACモードを使っていく。

筆者のファイル再生の環境は、ネットワークプレーヤーのスフォルツァート「DSP-Dorado」、サーバーがfidata「HFAS1-XS20」、オーディオ用PCが「canarino Fils」という構成だ。

逆木一氏の自宅リスニングルームで検証を行った

筆者はふだん、HFAS1-XS20とDSP-DoradoをLANケーブルで直結し、DSP-Doradoを「プレーヤー」として再生している。HFAS1-XS20の2系統あるLAN端子を利用して、ハブを経由せず最短で接続するかたちだ。この構成を「A」とする。


DSP-DoradoをUSB-DACとして使う構成には、「プレーヤー」としてcanarino Filsを使う場合「B」と、HFAS1-XS20を使う場合「C」の2種類がある。




「B」と「C」の音は甲乙つけがたい部分があるが、「A」はそれらよりも優れた再生音を聴かせる。つまり、DSP-DoradoはUSB-DACとして使うよりも、ネットワークプレーヤーとして使う方が高音質である。端的に表現すれば、「B≒C<A」となる。もっとも、DSP-Doradoはそもそもが「ネットワークプレーヤー」なので、「A」の音が一番良くて当然と言われれば確かにその通りなのだが。

この状態から接続を変えないまま、DirettaでDSP-DoradoをLAN DACとして使う構成が「D」になる。Direttaの音はこの状態で聴いた。


Direttaの効果は驚くべきものだった。データ経路の最短化さえ行っていない「D」のDirettaの音が、スフォルツァートの本懐であるネットワークプレーヤーの機能を最短経路で活かした「A」を明らかに越えていたのである。

「NOS」の検証にも使った曲を一通り聴き直してみたが、分解能、高音の伸び、中域の充実、低域の沈み込み、ディテールの表現など、多くの面でDirettaの音が上回る。そして、それらの分析的な聴き方で得られる印象のすべてがどうでもよくなるほど、ひとつひとつの音が瑞々しく、生命力に満ちている。「NOS」にした時より、モードを「UPnP」から「Diretta」に変えた時の方が、音質向上の幅がよほど大きく感じられる。

この音の変化はあまりにも衝撃的だった。端的に表現すれば、「B≒C<A<<<D」なのだ。

なお前述の音の印象は、再生ソフトにJRiver Media Center(以下JRiver)を使ったことも影響しているのだろう。「NOS」モードのすっきりとして切れ味鋭い音に、JRiverで特徴的な煌びやかな質感が見事に調和し、強烈なオーディオ的快感がもたらされる。はっきり言って、過去これほどまでにJRiverの再生音を素晴らしいと思ったことはない。

「Diretta」対「Roon Ready」。その結果は?

音源の再生機能を持つ「ネットワークプレーヤー」より、再生機能を他に任せた「LAN DAC」として使ったほうが明らかに高音質という現実。これをどのように捉えればいいのか。

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