小型サイズでヘッドホンもスピーカーも
“手のひらシアター” XROUND「XPUMP」レビュー。独自サラウンドでスマホやPCのサウンドが劇的進化!
スポーツ系のコンテンツは、iPad ProでDAZNの様々なジャンルの映像配信を試してみた。スポーツを楽しむ時も、やはりXPUMPのレベルは「2」を選択すると重低音の迫力がいい感じに加わる。
サッカーはゴールシーンに沸くスタジアムの熱狂が、まるで自分がその場にいるような臨場感と一緒に蘇る。地響きのような太い低音がオーディオ用ヘッドホンを通して聞こえてくるのは不思議な感覚だ。
DAZNで見られるスポーツ映像の中でも、特にモータースポーツは相性が抜群に良かった。F1のハンガリーグランプリを再生すると、マシンのエンジン音が豊かなスピード感とともにサーキットを縦横無尽に駆け巡る様が浮かんでくる。空気を切り裂くような甲高いエンジン音も耳障りがよく、長時間の視聴も負担に感じないであろうバランスの良さが光る。迫力は増すが、あくまで自然なのだ。解説者のコメントもクリアで聞きやすかった。
■スピーカーの音楽鑑賞にも自然な臨場感を付加
次はスピーカーでの試聴だ。MacとXPUMPをUSBケーブルでデジタル接続し、Fostexのアクティブスピーカー「FS-4AS」に出力しながらSpotifyの音源を聴いた。XPUMPの本体のスイッチをスピーカー再生側に切り替える。USB接続時はXPUMP本体のバッテリーをPCを通して充電できるので便利だ。
リマールの『ネバー・エンディング・ストーリー』を、音場レベルの選択をオフにして聴きはじめる。やはりどこか平板で味気なく感じられるが、レベルを「1」に切り替えるとボーカルの艶っぽさが一気に華開いた。コーラスとメインボーカルとの分離が良くなるし、楽器の位置関係がはっきりと分かるようになる。
シンセサイザーの音にふんわりとした弾力感があり、広々とした空間に柔らかな余韻を残して溶けていく。まるで主人公のアトレイユと一緒にファルコンの背中に乗りながら、音楽の宇宙を泳いでいるような極上の時間を味わった。