小型サイズでヘッドホンもスピーカーも
“手のひらシアター” XROUND「XPUMP」レビュー。独自サラウンドでスマホやPCのサウンドが劇的進化!
tofubeatsの「ふめつのこころ」では、打ち込みによる低音のビートがズバッと鋭く突き刺さる。全体のバランスが落ち着くのはレベルを「1」に設定した場合だった。「2」だと低音がやや太く鳴り過ぎる感じもしたが、音の横方向への広がりはいっそう増す。部屋のサイズや組み合わせるスピーカーに合わせながら好みのバランスを探求できる楽しみもある。
続いてアリス=紗良・オットのショパン ワルツ集の『変イ長調 作品42』を再生する。レベルをオフにした状態だと平板に感じられたメロディが、「1」に切り替えるとピアニストの指先のイメージが鮮明に見えてくる。
ピアノの音に丸みと暖かさが加わり、演奏が見違えるほど色っぽくなった。流れるようなメロディのつながりとスピード感も生まれてきた。クラシックやジャズを聴く時には「1」を選択すると、低音の余韻もしっとりとして心地よく感じられた。
音楽プレーヤーをMacから「Amazon Echo Spot」に切り替え、スピーカーのアナログ音声出力をXPUMPにつないでみた。Amazon Echoの音に物足りなさを感じているユーザーも多いはずだが、外部オーディオ出力があるので、XPUMPを介してアクティブスピーカーなどに接続すれば、まるでコンサートホールやライブ会場にいるような臨場感が音楽・動画鑑賞の際に味わえる。ぜひ試してほしい。
モバイル端末やPCの音を単純に肉付けするだけでなく、耳馴染みのよい自然なリスニング感に整えてくれるXPUMPのサウンドは、非常に上質だ。
本体とケーブルをまとめて付属のポーチに入れて、手軽に持ち歩くことができる。しばらくはこれを旅のお供に持ち歩きたいと思う。これぞまさしく、モバイルリスニングやデスクトップリスニングの体験を劇的に高めてくれる、オーディオデバイスの決定版だ。
(特別企画 協力:アーキサイト)