クルマの設計段階から共同開発
音の包まれ感が半端ない! マツダ「CX-8」を買うなら「Boseサウンドシステム」がオススメだ
また、本システムでは後席での音作りも重視した設計となっている。試しに2列席でも「Centerpoint 2」をONした状態の音をチェックしてみたが、音の包まれ感が半端ない。ボーカルや楽器はそのまま前方で再現され、広がり感が前席よりさらに増している感じがするのだ。
おそらくダッシュボード上に作られた音場までの距離がそれをプラスとして作用しているのではないかと思われるが、2列目はロードノイズが発生するタイヤからも最も離れた位置ともなる。その意味では、ドライバーには申し訳ないが、2列目シートが音楽を楽しむ上でのベストポジションと言えるかもしれない。
CX-8に搭載されたボーズのサウンドシステムは、リスニングポジションがどこであろうとも、センターが自分の前に定位するというのがコンセプト。その意味では3列目のシートでの音も気になる。
驚かされたのは、2列目ほどではないにしても、十分な臨場感がここでも発揮できていたことだ。試聴する前は3列目の両サイドにあるスピーカーが定位に悪さをするのではないかと予想していたが、それは良い意味で裏切られた。3列目でも十分に自然な音が再現されていたのだ。
加えて本システムには「AUDIOPILOT 2」という「走行ノイズ補償システム」も搭載。走行中のロードノイズを車内に設置したマイクで拾って自動補正するもので、従来からあったような「ノイズが増えたのでボリュームアップする」という単純なものでもない。
実際に高速道路で速度上げてみたが、音量の変化なしに聴き取りやすさがアップするという表現が適切だろうか。低域もロードノイズにかき消されることなくクリアに再現される。ヘッドホンで使われるノイズキャンセルとは仕組みこそ異なるが、ノイズを感じさせずに音をクリアに聴かせるという考え方は通じるものがある。音にこだわるボーズらしいシステムと言えるだろう。
最後に、システムの中核となるマツダコネクトについてもレポートしたい。このシステムはマツダ全車に共通するもので、途中でナビゲーションの変更や、モニターのクオリティに変更はあったものの、それは2013年11月に登場した3代目アクセラに搭載されたものと基本を同じにする。それだけに画面サイズが7インチというのは今どき小さいと誰もが感じるところだろう。ただ、コンソールにあるダイヤル式コントローラーによるインターフェイスは極めて使いやすい。オーディオやナビゲーションを含む各種設定のどれもが手元で行え、使えば使うほどにその自然なインターフェイスに感心する。
マツダコネクトはオーディオ機能を音声で操作することも可能だ。FMやAM、CD、USBといった単語読み上げでモード切替ができ、USBに接続したプレーヤーについてはアーティスト名や曲名から直接聴きたい曲を呼び出せる。もちろん、プレーヤー内に収録した音楽データには該当する情報が収録されていなければならないが、一度使い慣れると手放せなくなる便利さを感じるはずだ。
同乗者みんなが心地良いドライブサウンドが楽しめる。これは「広い車内スペースで上質な空間を求めるユーザーに応える」とするCX-8の基本コンセプトに通じるものでもある。そして驚くべきは、この上質なサウンドがわずか8万1000円の追加で得られるということ。これだけのサウンドを後で手に入れようとしてもそれは叶わない。カーオーディオのプロショップに行けばその数倍はかかるだろう。
もし、CX-8を手に入れられるチャンスが巡ってきたのなら、ぜひ『Boseサウンドシステム』との組み合わせをオススメしたい。
(会田 肇)