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【特別企画】「ATH-CKR7TW」「ATH-SPORT7TW」をレポート

編集部員が実際に使ってわかった、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンがオススメな理由

公開日 2018/12/13 06:00 編集部:小澤貴信/川田菜月
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編集部レポート<2>
PHILE WEB編集部 小澤貴信が聴いた「ATH-CKR7TW」

編集部:小澤貴信


独立したDAC/アンプ搭載などで音質を徹底追求

この1年で完全ワイヤレスイヤホンのモデル数が飛躍的に増えました。おなじみのイヤホン/ヘッドホンブランドからも注目モデルが多数登場する一方で低価格モデルも増え、選択肢も広がりました。完全にケーブルから開放される快適さは、一度使うと後戻りできないものです。一方でサイズや方式による設計の制限は当然ながら大きく、有線イヤホン、ネックバンドタイプのBluetoothイヤホンと比べると高音質を実現するのは難しくなります。

「ATH-CKR7TW」 ¥OPEN(予想実売価格27,000円前後)

オーディオテクニカ初の完全ワイヤレスイヤホンとなった「ATH-CKR7TW」は、音質第一のプレミアムシリーズ「Sound Reality」から登場しました。Sound Realityは「ATH-MSR7b」をはじめ、同社の音へのこだわりを体現するシリーズです。同社初の完全ワイヤレスイヤホンを本シリーズにラインナップしたことからも、音質に対する同社の自信が窺えます。

では具体的に、どうやって音質を追求したかというと、まずDAC/ヘッドホンアンプを独立したチップとして搭載していることが挙げられます。詳しくは先日、海上忍さんがレポートされているので、ぜひこちらを参照して欲しいのですが、これは完全ワイヤレスイヤホンとしては尖ったアプローチです。Bluetoothチップに内蔵されるDACやアンプをあえてバイパスして、音質が優れた外付けのDAC/アンプを使用しています。

この優れたDAC/アンプで、専用設計した独自のΦ11mmドライバーを鳴らしています。このドライバーも、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングという手法での高硬度化処理を施した振動板や、磁気回路に純鉄ヨークを採用するなど、有線イヤホン上位機にも負けないものです。

歪みのない、クリアネスの高いサウンドを聴かせてくれる

実際、ATH-CKR7TWの音質は、現時点の完全ワイヤレスイヤホンにおいてトップクラスだと思います。解像感や帯域バランスにおいて優れた資質を備えていることに加え、低域の再現性や音抜けの良さなど、音楽表現で重要になるポイントも押さえています。

(BK)

(GY)

まずはアコースティックな音源を聴いてみて欲しいと思います。ピアノやギターといった生楽器の自然で伸びやか響きは、有線イヤホンと比較しても聴き劣りしません。歪み感が抑えられて、クリアネスの高いサウンドです。一方で最新のR&Bやヒップホップを聴くと、本機が現代のポップスにも対応するチューニングを行っていることがよく分かります。這うようなベースラインも破綻させずに鳴らしてくれ、低域まで解像感を確保しています。

詰まった感じのない、余裕のある鳴り方は、完全ワイヤレスイヤホンとしては大口径の11mmドライバーを搭載したからこそ実現できたものでしょう。アコースティック、エレクトロニクスの両面で、設計に制限のある完全ワイヤレスイヤホンでここまでのサウンドを実現できたことは注目に値します。

大柄だが快適な装着性を確保

快適に使えることが魅力の本質にある完全ワイヤレスイヤホンですから、機能性や装着性も、もちろん重要です。接続性については、人混みや駅周辺などのシビアな環境でも試してみましたが、音切れなくリスニングでき、接続安定性は非常に高いと感じました。

内蔵バッテリーについては、フル充電で6時間再生を実現しています。充電ケースと組合せれば最大15時間使用でき、まず不便を感じることはないでしょう。充電ケースのインジケーターで、本体とケースの両方のバッテリー状況を確認できるのはうれしい配慮です。

「ATH-CKR7TW」の充電ケース

また、音にこだわったことによってトレードオフとなっているのがサイズです。ATH-CKR7TWは完全ワイヤレスイヤホンとしては大柄な部類に入ります。しかし、その点も考慮して、快適な装着性が確保されています。ボディはやや大きいですが、装着して重いと感じることはありません。ノズルに適度に角度が付いていることもあり、ボディが耳の内側に当たって装着の邪魔するようなこともないです。装着性を高めるウィングサポートも同梱されていて、個人的にはこれを使ったほうが安定し、かつ快適な装着感が得られました。



ケーブルから完全に解放されると、もちろん便利であったり快適であったりするのですが、音楽を聴きはじめるまでの多くの煩わしさから解放され、音楽に集中できることに私は魅力を感じます。一方で、やはり音質で言えば従来の有線イヤホンやネックバンド型Bluetoothイヤホンよりは不利なので、じっくり音楽を聴くというよりは、移動時や“ながら聴き”の用途で完全ワイヤレスイヤホンを用いている人がほとんどだと思います。

ATH-CKR7TWは「よし、音楽をじっくり聴こう」という時にも使える音質を備えています。少なくとも、音だけで有線か無線かを意識させることのない音を実現していると思います。音の良さとケーブルのわずらわしさがない解放感が合わさると、こんなにも音楽に集中できるという体験を、多くの方にぜひ味わってもらいたいです。

(編集部 小澤貴信)



特別企画 協力:オーディオテクニカ

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