セパレート型で目指した“最上の音”の実現
エソテリック「N-03T」を聴く ー ファイル送り出しに特化して音楽の臨場感まで再現
流れとしては、fidataとK‐03Xsをダイレクトに接続して、fidataでハイレゾデータを走らせた音を聴いた後に、fidataからN-03Tに入れて、N-03Tでハイレゾデータを走らせ、そのUSB出力をK-03Xsに入れた音を比較した。
■静寂でサウンドステージに近く、音像が大きめで音楽に近い感覚
N-03Tを使った音は、まずその背景が静かだ。ノイズフロア自体も低いのだが、その透明感に何か上質な静けさがある。音調で特徴的なのは低域の締まった感じで、付帯音のない、押し出しの強いものだ。さらに印象的なのは、“サウンドステージに近く、音像が大きめ”という音楽に近い感覚だ。オーディオが良くなるほどに音楽が人ごとではなく、迫ってくる感じが出てくるようだ。これは多分にK-03Xsの音も反映しているが、音量を上げてもうるさくなく、触れるような実体感も出てくる。
筆者はPCから再生させて音楽を聴く時や、衛星放送を聴く時も結/局DAコンバーターとしてK-03Xを使っている。ネットワークプレーヤー導入も、DAC部を持たない製品を選ぶやり方があると納得できた。PCではなく、専用機ならではのハイレゾ再生は格が違うと感じざるを得なかった。
(鈴木 裕)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー169号SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。