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【特別企画】日本初のQCC3026搭載モデル

今年最後の “本命” 完全ワイヤレス! AVIOT「TE-D01b」が最大81時間再生・音切れ(ほぼ)無し・高音質・ハイコスパで凄い

公開日 2018/12/29 06:30 折原一也
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スマホとペアリングをする際にはケースからL側のイヤホンを取り出し、ボタンを6秒間長押しするとペアリングモードに切り替わる。なお、同じAVIOTの「TE-D01a」をレビューした際には(関連記事)音声ガイドがすべて日本語かつ女性声優のボイスと書いたが、TE-D01bは残念ながらすべて女性の英語音声。ただしボタン長押しの際、効果音で長押し操作の段階を表現しているのは分かりやすい。

スマホとのBluetooth接続ではL側でペアリングが行われる事になるが、片側のペアリングが完了すれば、後はイヤホン左右は自動的に接続。QCC3026による親機自動入れ替えの機能は、一切意識することはなく、むしろいつ動作しているのかも分からない程だった。

ボタンによるリモコン操作は、一回押しで再生/停止と通話、長押しでスキップ。ボリューム調整には対応しないので、スマホなどの再生機器側で操作することになる。

そしてTE-D01aは、音切れの少なさも大きな特徴となる。実際に装着して新宿の雑踏の中を歩いてみたが、他のイヤホンで音切れの起きた箇所でも音切れはナシ。Netflixで国内ドラマを視聴してみたが、映像配信の遅延も気にならい水準だ。

ケースのイヤホン収納部はマグネット仕様で、本体が落ちにくい工夫がこらされている

ワイヤレスでも圧倒的な情報量と “Japan Tuned” の素直な音バランス

ではいよいよ、TE-D01bのサウンドを聴き込んでいこう。まずは、iPhoneとペアリングしてAACコーデックで試聴していく。


宇多田ヒカルの「あなた」を聴くと、ワイヤレスイヤホンとは思えないほどの情報量とサウンドフィールドのなかで歌声が展開されていく。歌声を意図的に立てることはせず、密度あるサウンドのなかで自然と存在感を発揮。バンドの演奏、ピアノ、弦楽器のオーケストラと音数の多い曲を鳴らし切る。低音はゴツリとした実体感と共に、そのなかの抑揚まで見通せる領域にまで到達している。

RADWIMPSの「前前前世 (movie ver.)」を聴いても、最高域までキツさをまったく感じさせずスムーズに伸ばしていく、情報志向なサウンド。ギターの精緻なセパレーション、ベースの音楽的な余裕が伝わる鳴りっぷり、バンド全体の見通しのシャープさは、従来のワイヤレスイヤホンで妥協のあった音とは、次元が異なると思えるほど。

映画『ラ・ラ・ランド』のサントラよりジャズ音源「アナザー・デイ・オブ・サン」では、ピアノを始めとした生楽器の音を、臨場感ある瑞々しい質感とともに響かせる。リズムの刻みも余韻たっぷりで、音楽的な愉しみも上々だ。歌声は男性、女性ボーカルともにクリア。情報量豊かに自然と聴けるようなタイプだ。

カラヤン指揮の「ヴィヴァルディ四季」は、弦楽器の繊細な音も見事なセパレーションで深掘りしてくれる。ステージの空間の広がりも圧倒的で、特定の帯域を持ち上げる事なく楽器の音を響かせるため、なかなか相性が良い。

なお、イヤーピースを標準タイプから付属のSpinFitに交換してみると、音がよりタイトになり、特に歌声が硬質に立ち上がる一方で、低域は量的に一段抑えられた。今回は一通りの曲を聴いた上で、僕は標準付属のイヤーピースをチョイスしているが、好みにより使い分けが楽しめるだろう。

プレイヤーを “ハイレゾスマホ” GRANBEATにしてaptXで聴き込むと、ひと味違ったサウンドとなった。iPhoneでの試聴は音空間をしっかりと作るタイプであったのに対して、aptXでは高域にもエネルギーを乗せた上で空間表現は狭くなった、モニター調のサウンドを引き出す。音情報の豊富さという観点では、aptXが一枚上手だ。

改めて、AVIOT「TE-D01b」はクアルコム社のQCC3026を初めて搭載した完全ワイヤレスとしてテクニカル面から注目されるイヤホンだ。しかし、最大9時間のバッテリー駆動、検証中に一度も音切れしなかったワイヤレス通信の安定感、完全ワイヤレスイヤホンの基準を一変させるような圧倒的な情報量志向の高音質サウンドなど、ユーザー視点からも推したいポイントが多い。

特にそのサウンドは極めて素性が良く、フラットな音を目指した “Japan Tuned” とも相性抜群。これが16,000円程度の実売価格となると、相当コスパも良い。シンプルに音質の良い完全ワイヤレスを探している人にとって、必ず候補に入ってくるモデルだろう。

(折原一也)

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