洗練されたデザインも魅力
上質サウンド+ワイヤレス充電、Bang&Olufsenの完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8 2.0」レビュー
イヤホンの基本設計は従来モデルを踏襲。搭載ドライバーはφ5.7mmのダイナミック型、BluetoothはVer 4.2で、コーデックはSBCとAACをサポートする。左右のイヤホンをNFMI(Near-Field Magnetic Induction)技術で接続するのも従来機同様だ。これは人体に吸収されやすい電波でなく、電磁誘導を利用し信号を伝送する技術で、左右イヤホンが途切れにくいのが特徴だ。
防水機能は進化している。従来機はラバーとポリマー素材を組み合わせ、水やしぶきに強いというレベルだったが、本機ではIP54防滴基準を満たしており、運動による汗や急な雨にも慌てず安心して使える。
なお、サウンド面で大きな変化はないとのことだったが、この後一聴して納得した。設計が同じなら、あえて変える必要がないほど、完成されたサウンドだったのだ。
■専用アプリは“かゆいところに手が届く”機能が満載!
それでは、Beoplay E8 2.0をじっくりと試していこう。右イヤホン側面をタップして電源をオン。左右のイヤホンを20cm以内に近づけた状態で、両側面を5秒以上タップするとペアリングモードに入る。今回はiPhone Xとペアリングし、音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」で楽曲を再生した。
ペアリング後は「Bang&Olufsenアプリ」を立ち上げ、画面の指示に従ってBeoplay E8 2.0を選べば設定完了だ。アプリ上からは、ボリューム、再生/一時停止、曲の順送り/逆戻しといった基本操作に加えて、音の傾向を自在に変えられる「Sound」機能と、外音取り込み機能の「Transparency」機能が用意される。
Sound機能は大きく2つの設定項目があり、1つはプリセット。「Commute」「Clear」「Workout」「Podcast」の4通りから音質傾向を変更できる。もう一つは「Tone Touch」機能で、画面の斜め方向に左上から時計回りに「WARM」「EXCITED」「BRIGHT」「RELAXED」の4傾向にそれぞれ領域が分かれており、ポインターを移動させて、傾向や効き具合を決められる。
プリセットも、Tone Touchの4傾向を組み合わせて構成されている。試聴した印象で説明すると、直訳で通勤・通学を意味するCommuteは、EXCITED方向のサウンドで音の立ち上がりを強調。Clearを選ぶと中高域の明瞭さが増す。BRIGHT方向にポインターがあり、意味もそのまま“クリア”を指すようだ。
Workoutの意味はトレーニング、練習。傾向はWARM方向で、音が丸くなり長時間のリスニングに向いていそうだ。最後のPodcastは、ネットで公開されている音声や動画を視聴するモード。RELAXEDとBRIGHTをまたぐ位置にポインターがあり、中域が明瞭さを維持したまま、一段持ち上がる。聴く音源の種類に合わせて使い分けると良いだろう。
Transportationは、再生を止めずに外音を取り込む機能。オン/オフは左イヤホン側面を1回タップして切り替えられ、効き具合はBang&Olufsenアプリで調整できる。0から100まで4段階で切り替えられ、0が外音ゼロの再生音源のみの状態、100に近づけると外音が大きくなり、反比例して再生音源のボリュームが小さくなる。100にすると、外音しか聞こえない。小型の完全ワイヤレスイヤホンは、外した際に落としてしまう可能性がある。この機能があれば街中で周囲の音を確認したり、駅や空港でアナウンスを聞いたりする際に外さずに済む。
前置きが長くなったが、いよいよ試聴に入るとしよう。今回の試聴では、あえてこれらを使わず、中央にポインターがあるニュートラルの状態で聴いた。また、イヤーピースにはシリコンタイプと低反発タイプ(コンプライ)が付属している。今回は耳への圧迫感が少なく、長時間装着にも使いやすいシリコンタイプを使った。
次ページナチュラルながら余裕あるサウンドは、高級オーディオそのもの