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洗練されたデザインも魅力

上質サウンド+ワイヤレス充電、Bang&Olufsenの完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8 2.0」レビュー

公開日 2019/03/14 06:00 草野晃輔
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フラットかつ余裕を持った再生は、まるで高級オーディオのサウンド

最初は、筆者が試聴で定点観測的に聴いているブルーノ・マーズの「24K Magic」。音が整理された楽曲で、音数の多い部分での明瞭さや空間の広さを確認しやすい。Beoplay E8 2.0で再生すると、そのサウンドはまさに高級オーディオで聴いているようだ。

高い解像感と音楽のまとまりも両立。ナチュラルながら高級オーディオのようなサウンドを鳴らす

解像感に優れ、各パートの音を容易に聴き分けられる。それでいて音のまとまりが良く、濃密でリズミカルなサウンドを余裕綽々に奏でる。太く力強いにもかかわらず、決して悪目立ちしないベースラインも心地よい。このサウンドにハマりそうだ。

続いてロックバンド、UVERworldの最新曲「Touch off」を再生。この曲では、楽器と打ち込み音を絶妙な配分で融合した厚みのあるサウンドが魅力。これらが、塊感を持って迫ってくるかが聴きどころだ。こちらも、完全ワイヤレスイヤホンとは思えない、重厚さを備えた再生を楽しめた。オープニングから音が厚くなるサビまでは、ギターのバッキングが疾走感を演出しているが、キレ味鋭い再生が、曲の持ち味を余すところなく引き出していた。

もう1曲邦楽から、ロック好きにはおなじみのバンド、サカナクションの「新宝島」を聴く。オープニングからシンセサイザーの歪み感をスピーカー並みに再現する。続くギターのバッキングは、切れ味鋭くリズミカル。本機がナチュラルな音質傾向ということもあり、淡々としたリズムが気持ちよい。それでいて、曲に込められたエネルギー感も伝わってくるから不思議だ。

最後はジャズから、今年生誕100年を迎えたドラマー、アート・ブレイキーのバンド、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を聴いた。ホーンセクションの表現力が、Bluetooth伝送とは思えないほど上質だ。サックスは胴の鳴りまで感じられ、トランペットはブレスのニュアンスまで分かる。

もう一つ特筆すべきは、解像感が高く、セッションをその場で聴いているような、空気感が分かることだ。ヘッドホンですらこの価格帯でこれだけの表現力を備えたモデルが少ない中、小型で設計上の制約が多いであろう、完全ワイヤレスイヤホンで実現していることに驚かされた。

最後に、本機で忘れていけないのがワイヤレス給電のチェックだ。今回は、残念ながら純正の充電パッド「Wireless Charging Pad」は試用に間に合わなかったので、手元にあるQi給電パッドで充電を試した。

手持ちのQi対応ワイヤレス給電パッドを使って、ワイヤレス給電のチェックも行った

充電ケースごと給電パッドに置くと、背面のLEDがゆっくりと点滅し、充電が始まる。純正品ではないため実際の充電時間は計測しなかったが、ほぼ空の状態だった夜から、朝にはフル充電されていた。

夜帰ってから充電ケースを取り出して置く、という動作は誰もが行っているだろう。この置く位置を給電パッドにするだけで、電池残量を気にすることなく、毎日E8 2.0で音楽を楽しめる。筆者もこの便利さの虜になり、これまで当たり前だったケーブルを挿す動作が煩わしく思えるようになってしまった。



北欧テイストのインテリア性に富んだ洗練の外観デザインと、通をもうならせる上質なナチュラルサウンドを両立した「Beoplay E8 2.0」。持っているだけで嬉しくなる、そんな魅力を備えた希有なモデルだ。その上、置くだけで充電できる便利さも備えており、弱点が見当たらない。税込38,000円という価格を高いと感じる人もいるだろうが、完全ワイヤレスイヤホンの完成形の1つといっても決して大げさではない仕上がりに、一度使えば納得できるはずだ。

(草野晃輔)

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