長時間手に持って使えるベストなiPad
新「iPad mini」レビュー。3年半ぶり大進化、これはもう「小さなiPad Pro」だ!
■DCI-P3基準になったディスプレイの画質も良好
凝ったグラフィックスのゲームの動作も、驚くほど速く安定している。先日アップルが発表した定額制ゲームストリーミングサービス「Apple Arcade」が日本に上陸したら、iPad miniは最高に相性の良いゲーム機になるだろう。
Netflixの動画も見てみよう。iPad miniの7.9インチのRetinaディスプレイは解像度が2,048×1,536ピクセル、画素密度が326ppi。HDRには非対応だが、トーンバランスがとても自然で心地よい。
海外ドラマ「パニッシャー/シーズン2」を視聴すると、人物の顔の輪郭がとてもシャープに描かれる。陰影による奥行きの空間再現にも深みがあって、物語の舞台に引き込まれてしまう。ディスプレイがカバーする色域は、前モデルのiPad mini 4はsRGBを基準としていたが、新しいiPad miniはDCI-P3の広い色域が表示できる。また、明るさも400nitsから500nitsに上がっている。ポータビリティの高さとあいまって、旅行や出張に持ち運びやすいコンテンツビュワーとしての魅力が一段と高まった感がある。
Apple Booksで電子書籍を閲覧する場合の快適さも、iPad miniは群を抜いている。本体が軽いうえに、アスペクト比4対3の7.9インチRetinaディスプレイが様々なコンテンツにとてもよくフィットするのだ。iPad miniとして初めて、周辺環境に応じて画面の色合いを自動で最適化するTrue Toneテクノロジーを採用しているので、白場の多い小説、実用書系の電子書籍を読んでいても目が疲れにくかった。カラーのフォトグラビアも冴える。
筆者は自宅で仕事をするとき、Amazon Echoシリーズで音楽をよく聴く。Amazon Music Unlimitedの選曲やインターネットラジオのチャンネル選局を、側に置いたiPad miniで手軽に出来ることがとても快適に感じられた。ネットワークオーディオやIoTデバイスのリモコンとしても活躍しそうだ。
iPad miniは、多くの熱烈なファンに愛されている7.9インチのスリムでコンパクトサイズはそのままに、内部はA12 Bionicチップを中心に最強のチューンアップを行った。これから続々と誕生するリッチな動画・ゲーム系のストリーミングサービスも十分快適に楽しめる底力を持っている。本機はもはや「小さなiPad Pro」と呼ぶべきだ。
このサイズ感と高性能に加えて、Apple Pencilにも対応したことも注目。iPad mini+Apple Pencilを念頭においたアプリやサービスも現れそうだ。現在App StoreにはiPadに最適化したアプリが100万以上揃っているそうだが、その数がさらに増えるかもしれない。とても楽しみだ。
筆者は新しいiPad miniを母にプレゼントするつもりなのだが、使ってみたら予想以上に満足度が高かったので、自分用にも1台買うべきではないかと思案しているところだ。