ドルビービジョン+アトモスの威力は?
「アベンジャーズ/エンドゲーム」観るならドルビーシネマが熱い? IMAXと比較した(後編)
ドルビービジョンはIMAXとは別の上映フォーマットであり(通常料金+500円)、こちらを観るためには、ドルビーシネマ対応館でなければならない。現在国内には、福岡(関連記事)と埼玉の2ヵ所があり、今年、大阪・梅田/有楽町にオープン予定だ。※記事初出時、「池袋」と記載がありましたが、これは誤りでした。該当部分を削除させて頂きました。お詫びして訂正致します。(2019年5月9日)
これらドルビーアトモスやドルビービジョンは、IMAXと同様に映画の技術革命とも呼べる。日本映画にもドルビーシネマ対応作品が発表されたばかり(水谷豊監督・出演の『轢き逃げ -最高の最悪な日』)。国内の映画館での上映設備の導入は遅れたが、ようやくそれも解消されつつある。
このようにディズニー映画は3Dのみならず、すべての上映フォーマットに対応することで、映画の興行改革をリードしているわけだが、この積極的な取り組みの姿勢も、11バージョン上映に繋がったのだろう。
■ドルビーシネマで観る『エンドゲーム』
さて本筋に戻そう。ドルビーシネマ版は、『エンドゲーム』が封切り作品となった関東初のドルビーシネマ対応館「MOVIXさいたま」で観た(関連記事)。
またドルビーアトモスについては、ドルビーシネマ=「ドルビーアトモス(音声)+ドルビービジョン(映像)+劇場デザイン」とドルビーシネマに包含されているので、この項でまとめて解説したい。
さて、ドルビーシネマとIMAXは本来、歴史的経緯も技術的背景も異なるフォーマットだ。しかし選択を観客に委ねている立場においてむしろライバルであり、お互いに似たようなメリットを声高に叫んでいる。一般の方には「どっちも同じようなもの」と受け取られても仕方ないところがある。だが、まったく違う。
『エンドゲーム』のドルビーシネマ上映はシネスコだ。しかし、全編IMAX映像で楽しめるんだから『エンドゲーム』はIMAXで観るべき、とは言えない。前編の最後に述べたように、決してIMAXが絶対ではない。ここから、ドルビーシネマの長所をお伝えしていきたい。
■ドルビーシネマで体験できるのは “圧倒的な漆黒”
異次元の黒。ありえない漆黒。ドルビーシネマの第一印象はこれに尽きる。