ロングセラー機「W1070+」から進化
“売れる”要素をバランスよく搭載! BenQ「HT3550」は4K/HDRプロジェクターの新トレンドなるか?
ホームシアター用途に求められるプロジェクターのスペックは、解像度、明るさ、そして価格。どれか1つが突出していても評価されず、特にエントリークラスの場合3点のバランスが重要になる。そのうえで焦点距離の短さや台形補正など付加機能が求められ、製品の個性につながっていくというわけだ。
BenQが2014年に発売したロングセラーモデル「W1070+」は、端的にいえばDLP方式のフルHD(1080p)プロジェクターということになるが、上述のポイントを的確に押さえていた。光学1.3倍のズームレンズを搭載、6畳間でも100インチ投写が可能という短焦点モデルであり、レンズシフト機能や台形補正機能も装備。台形補正は縦横方向に可能という “痒いところに手が届く” 仕様に人気が集まるのは自然な成り行きといえる。
そして、今回発表された「HT3550」は、そのヒット作W1070+のコンセプトを踏襲、4K/HDR対応へと進化を遂げたハイパフォーマンスモデルだ。その進化ポイントを検証したい。
■人気モデルの良いところを踏襲、4K/HDR機としてさらに進化
HT3550は最新世代の0.47型シングルDMDチップを搭載、DLPの画素ずらし技術によりUHD(3,840×2,160/830万画素)の精細さを実現しつつ、輝度2,000ルーメン/コントラスト比30,000:1というパワフルな描画力も獲得、それでいて税込20万円を下回るという驚きのプライスタグを実現した。
付加機能の豊富さはW1070+譲り。10枚8群のオールガラスレンズを搭載し光学ズームは1.3倍、約1.48mで60型、約2.5mで100型の投写が可能という短焦点構造も引き継がれた。W1070+で好評を博したレンズシフトと自動台形補正機能も用意される。
設置自由度の高さという利点も共通する。外形寸法は約380W×127H×263Dmmと4K/HDRプロジェクターとしてはコンパクトで、フルHDモデルのW1070+(312Wx104Hx244Dmm)と比較しても大きく変わらない。重量は約4.2kgに増えているが、これも4K/HDRプロジェクターとしてはかなり軽量な部類に入ることは間違いない。
画質面の進化で特筆すべきは、独自の「Cinematic Color」技術による色再現性向上だ。BenQのプロジェクターは一貫してハイビジョン向けの色域規格Rec.709にこだわり、制作者が意図した色調を再現する方針を掲げている。
Rec.709が100%、DCI-P3が95%という本機の色域カバー率は、DCI-P3の90%以上というUltra HD Premiumが定める基準を上回るものだ。工場出荷時に個体ごとの高精度キャリブレーションを実施するという念の入りようからしても、色再現性こそがHT3550というプロジェクターの勘所なのだといえる。
■「コントラストの高さ」と「発色の自然さ」に真骨頂
画質のチェックは、UHD BDを中心に実施した。視聴したタイトルは『グレイテスト・ショーマン』と『PAN ネバーランド 夢のはじまり』、そして『マッドマックス 怒りのデスロード』の3本。W1070+からの進化の幅を実感するべく、SDR変換された映像をW1070+で視たあとに同じシーンをHT3550で確認する、という流れで進めている。ピクチャーモードは「Cinema」、ディレクターズインテント重視のBenQが掲げる「Cinematic Color」が活きるモードだ。
『グレイテスト・ショーマン』は、冒頭からのシーケンスをチェック。逆光にヒュー・ジャックマンの姿が映える印象的なシーンは、光の筋の細かさと宙に舞うホコリを確認できるほどの緻密な描画に、4Kモデルとしての力を実感。W1070+ではやや平坦な印象だった暗部もしっかりと階調をもって描画されており、HDR対応のメリットもわかりやすい。ヒュー・ジャックマンの赤い衣装もビビッドで、背景の黒との落差が印象的だ。
BenQが2014年に発売したロングセラーモデル「W1070+」は、端的にいえばDLP方式のフルHD(1080p)プロジェクターということになるが、上述のポイントを的確に押さえていた。光学1.3倍のズームレンズを搭載、6畳間でも100インチ投写が可能という短焦点モデルであり、レンズシフト機能や台形補正機能も装備。台形補正は縦横方向に可能という “痒いところに手が届く” 仕様に人気が集まるのは自然な成り行きといえる。
そして、今回発表された「HT3550」は、そのヒット作W1070+のコンセプトを踏襲、4K/HDR対応へと進化を遂げたハイパフォーマンスモデルだ。その進化ポイントを検証したい。
■人気モデルの良いところを踏襲、4K/HDR機としてさらに進化
HT3550は最新世代の0.47型シングルDMDチップを搭載、DLPの画素ずらし技術によりUHD(3,840×2,160/830万画素)の精細さを実現しつつ、輝度2,000ルーメン/コントラスト比30,000:1というパワフルな描画力も獲得、それでいて税込20万円を下回るという驚きのプライスタグを実現した。
付加機能の豊富さはW1070+譲り。10枚8群のオールガラスレンズを搭載し光学ズームは1.3倍、約1.48mで60型、約2.5mで100型の投写が可能という短焦点構造も引き継がれた。W1070+で好評を博したレンズシフトと自動台形補正機能も用意される。
設置自由度の高さという利点も共通する。外形寸法は約380W×127H×263Dmmと4K/HDRプロジェクターとしてはコンパクトで、フルHDモデルのW1070+(312Wx104Hx244Dmm)と比較しても大きく変わらない。重量は約4.2kgに増えているが、これも4K/HDRプロジェクターとしてはかなり軽量な部類に入ることは間違いない。
画質面の進化で特筆すべきは、独自の「Cinematic Color」技術による色再現性向上だ。BenQのプロジェクターは一貫してハイビジョン向けの色域規格Rec.709にこだわり、制作者が意図した色調を再現する方針を掲げている。
Rec.709が100%、DCI-P3が95%という本機の色域カバー率は、DCI-P3の90%以上というUltra HD Premiumが定める基準を上回るものだ。工場出荷時に個体ごとの高精度キャリブレーションを実施するという念の入りようからしても、色再現性こそがHT3550というプロジェクターの勘所なのだといえる。
■「コントラストの高さ」と「発色の自然さ」に真骨頂
画質のチェックは、UHD BDを中心に実施した。視聴したタイトルは『グレイテスト・ショーマン』と『PAN ネバーランド 夢のはじまり』、そして『マッドマックス 怒りのデスロード』の3本。W1070+からの進化の幅を実感するべく、SDR変換された映像をW1070+で視たあとに同じシーンをHT3550で確認する、という流れで進めている。ピクチャーモードは「Cinema」、ディレクターズインテント重視のBenQが掲げる「Cinematic Color」が活きるモードだ。
『グレイテスト・ショーマン』は、冒頭からのシーケンスをチェック。逆光にヒュー・ジャックマンの姿が映える印象的なシーンは、光の筋の細かさと宙に舞うホコリを確認できるほどの緻密な描画に、4Kモデルとしての力を実感。W1070+ではやや平坦な印象だった暗部もしっかりと階調をもって描画されており、HDR対応のメリットもわかりやすい。ヒュー・ジャックマンの赤い衣装もビビッドで、背景の黒との落差が印象的だ。