第二世代BTケーブルはクリアな音と利便性UP
Westoneの新シリーズ一気聴き!圧倒的低域の「B」と透明感あふれる「W」、魅力満載の5モデル
メタルやEDMを聴くと、B50はまさに “破壊力” と言いたくなるほどの圧倒的な迫力で音楽を楽しませてくれる。高音域はやや柔らかめに再現するので、特にハードロックやメタルなどの曲には、B50であればキツさを気にせずに安心して聴くことができるだろう。
ジャズではウッドベースが豊かな響きを奏で、分厚い低域が下支えとなって、オーケストラ曲では壮大なスケール感を感じる。ポップやロックでは音楽の躍動感と迫力を増し、さらに気持ち良く楽しめた。低域表現にパラメーターを全振りしたような思い切った設定だが、それでいてボーカルは明瞭に聴こえるレベルにきちんと調整されている、この辺りは、さすがWestoneと言えるチューニングの妙だろう。
インタビューでカートライト兄弟が語っていた、「イコライザーを調整してベース増強するよりも、より自然なBシリーズを使ってほしい」というのも、B50を聴いてみて改めて納得した。通常のコンシューマーイヤホンとは一線を画した優れた音性能を持ちつつ、いままで高級クラスのイヤホンでは無かった低域の量感が味わえる点で、B50はかなりユニークで他では得難い存在と言える。従来Wシリーズを楽しんできたユーザーであれば、この個性的なBシリーズも欲しくなることだろう。
■バランスよく低域を増強した「B30」。荒っぽくパワフルな音楽の迫力も楽しめる
B30は3BAドライバー構成のイヤホンで、旧W30と比べると音響設計だけでなく、クロスオーバーも変更されている。また本機でも、新型の標準ケーブルと第一世代のBluetoothケーブルを付属している。
音質はやはり、たっぷりとした低音域が印象的で、B50と同様に重く豊かな低音が楽しめる。アカペラの多声ボーカルでは、女声パートは美しく聴こえる明瞭感を残しながらも、男声パートの太さ・豊かさの表現は、今までのイヤホンではあまり聴いたことがないくらいのレベルだ。
例えば新W40と比べた場合、アコースティック楽器がメインの器楽曲では、W40の方がスッキリと美しく聴くことができるが、電子楽器や打ち込みメインの曲などでは、B30の方が明らかに、太く豊かに音楽を楽しむことができる。メタルでも新W40ではやや上品になった印象を受けるが、B30ならば荒っぽくパワフルな音楽の迫力を、ありのままに感じられるだろう。
思い切って低域にパラメーターを全振りしたようなB50との違いは、B30の低域再現は、支配力がやや控えめといった感じで、手堅くバランスよく低域を増強したようなサウンドだ。同じBシリーズでも、低域増強イヤホンと意識することなく、従来のWestoneイヤホンのサウンドをイメージして、その延長として楽しめるモデルではないだろうか。
■筐体もよりコンパクト化した「新W40」。ケーブルの効果も相まって透明感が向上
続いて、新Wシリーズから音響設計を改良した「W40」「W60」、標準付属品として第二世代モデルの新Bluetoothケーブルを同梱する「W80」の3モデルを試聴した。なお、「W40」「W60」には新標準ケーブルと第一世代のBluetoothケーブルが付属される。
新W40では、旧W40から音響設計が改良されている。さらに外観も大きく変更された。筐体はよりスリムになってコンパクト化し、これまでよりも耳に快適にフィットするようになった。サウンド面では、あまり大きな帯域バランスの変化はないものの、周波数特性に優れていた旧W40の良い特徴は残しつつ、より透明感が高くなって気持ち良く聴くことができる。
試しに旧W40に新標準ケーブルを着けてみたら、見違えるように透明感が向上した。ケーブル単体の差もかなり大きい。Westone社が語る「市販の交換ケーブル並み」というのは、あながち誇張でもない。ただ、それでも全体としては新W40の方がより透明感を再現しているので、やはり本体の音質もしっかり向上していることが実感できた。この新しい標準ケーブルと音響設計の改良の2点で、新W40は従来からさらなる高音質化を果たしたといえるだろう。