カートライト兄弟にインタビュー
Westoneの人気シリーズ「W」が刷新、 新たに「B」シリーズも登場! 新モデル開発の裏側を訊く
長年プロ向けインイヤーモニターを開発してきた歴史あるブランド「Westone」。日本でも数多くのアーティストも愛用され、その確かなクオリティーとサウンドが人気を博している。
今回Westoneの製品開発を担うカートライト兄弟にインタビューを実施。音質の“ゴッドファーザー”と呼ばれる音決め担当のカール・カートライト氏、そして製品の構造設計を担当するクリス・カートライト氏の両名に、リファインされたWシリーズと、新たに登場したBシリーズについて詳しく話を訊いた。
■人気のWシリーズをリファイン!W40/W60は音響設計も大きく進化
ーー まず最初に、人気のWシリーズについて、今このタイミングでシリーズを刷新した理由、背景などがあれば教えてください。
クリス・カートライト氏(以下、クリス氏): 一番大きな理由は、私たちのユーザーからの要望に対して、新たな製品で応えようと思ったからです。その結果、Wシリーズをリファインするということになりました。
カール・カートライト氏(以下、カール氏): それに加えて、市場でも様々な変化が起きています。まずデジタル化の一つとして、Bluetoothへの対応が今や必須があるということは常々感じていましたし、私も一オーディオファイルとして、ワイヤレスに対する取り組みは面白いなと思いました。
ーー もっとも大きい理由はBluetooth対応ということですか?
カール氏: いえ、まず本体に改良の余地があると気が付きました。W60の後にW80を開発した時、8個ものドライバーをより小さなシェルに詰めるべく、クリスはさらなる小型化に成功したのですが、この技術を応用してもっと高音質化ができないかと考えました。その結果、BAドライバーとノズルを結んだ部分の、さらなる音響的な改善が可能になったのです。
この改良を適用することで、今回の新しいW40とW60では高音域のレスポンスを上げることができました。つまり高域の伸びを実現させ、スムーズな音が出せるようになったのです。
もう一つは、色の付いているプラスチックのクリップのところを金属製にしました。これはお客様からよく割れるという報告があったからです。
改良されたメタルクリップはW40/W60に適用されます。もともと金属製だったW80にも採用します。音響設計についてはW40/W60において改良されています。
ーー 2017年に「UM Pro」シリーズがリデザインされていますが(関連ニュース)、それに似た改良でしょうか?
カール氏: そうですね、一から作り直したわけではなく、見直して改良したという点では似ています。
クリス氏: 微妙な違いですが、W80を作る上で学んだことを、W40や60にも当てはめてみた結果ですので、今回はとても重要な意味を持つ改良と言えるかもしれません。快適性と音質の向上を図り、ケーブルやアクセサリーも改善を施しました。新ケーブルは銀がより多く含まれていて、これによって抵抗が少なくなり、さらなる音質の向上につながっています。
カール氏: 今後、現行の標準ケーブルであるEPICケーブルに代わって、新しい標準ケーブルとして採用します。現時点では仮に“High-Definitionケーブル”と呼んでいます。高域がよりクリアに聴こえるようになる点が特徴で、まるで最初からリケーブル用に高級な交換ケーブルが同梱されているようなものですね。この新しいHigh-Definitionケーブルは、新W40と新W60に付属されます。
クリス氏: 実はこの新ケーブル、仲間内では一年以上前から使っているのですが、音が最高なだけでなく、ケーブルが酸化したような緑色に変化することもありません。
カール氏: 以前のクリアケーブルでは時間が経つと色が変わってしまったのですが、今回のケーブルに関しては、同じ透明色でも変色しないように改良されています。
またこれもユーザーからの声に応えるかたちで、新シリーズではBluetoothケーブルも付属しています。W10/W20/W40/W60については第一世代のBluetoothケーブルを、W80では第2世代のBluetoothケーブルを付属します。
今回Westoneの製品開発を担うカートライト兄弟にインタビューを実施。音質の“ゴッドファーザー”と呼ばれる音決め担当のカール・カートライト氏、そして製品の構造設計を担当するクリス・カートライト氏の両名に、リファインされたWシリーズと、新たに登場したBシリーズについて詳しく話を訊いた。
■人気のWシリーズをリファイン!W40/W60は音響設計も大きく進化
ーー まず最初に、人気のWシリーズについて、今このタイミングでシリーズを刷新した理由、背景などがあれば教えてください。
クリス・カートライト氏(以下、クリス氏): 一番大きな理由は、私たちのユーザーからの要望に対して、新たな製品で応えようと思ったからです。その結果、Wシリーズをリファインするということになりました。
カール・カートライト氏(以下、カール氏): それに加えて、市場でも様々な変化が起きています。まずデジタル化の一つとして、Bluetoothへの対応が今や必須があるということは常々感じていましたし、私も一オーディオファイルとして、ワイヤレスに対する取り組みは面白いなと思いました。
ーー もっとも大きい理由はBluetooth対応ということですか?
カール氏: いえ、まず本体に改良の余地があると気が付きました。W60の後にW80を開発した時、8個ものドライバーをより小さなシェルに詰めるべく、クリスはさらなる小型化に成功したのですが、この技術を応用してもっと高音質化ができないかと考えました。その結果、BAドライバーとノズルを結んだ部分の、さらなる音響的な改善が可能になったのです。
この改良を適用することで、今回の新しいW40とW60では高音域のレスポンスを上げることができました。つまり高域の伸びを実現させ、スムーズな音が出せるようになったのです。
もう一つは、色の付いているプラスチックのクリップのところを金属製にしました。これはお客様からよく割れるという報告があったからです。
改良されたメタルクリップはW40/W60に適用されます。もともと金属製だったW80にも採用します。音響設計についてはW40/W60において改良されています。
ーー 2017年に「UM Pro」シリーズがリデザインされていますが(関連ニュース)、それに似た改良でしょうか?
カール氏: そうですね、一から作り直したわけではなく、見直して改良したという点では似ています。
クリス氏: 微妙な違いですが、W80を作る上で学んだことを、W40や60にも当てはめてみた結果ですので、今回はとても重要な意味を持つ改良と言えるかもしれません。快適性と音質の向上を図り、ケーブルやアクセサリーも改善を施しました。新ケーブルは銀がより多く含まれていて、これによって抵抗が少なくなり、さらなる音質の向上につながっています。
カール氏: 今後、現行の標準ケーブルであるEPICケーブルに代わって、新しい標準ケーブルとして採用します。現時点では仮に“High-Definitionケーブル”と呼んでいます。高域がよりクリアに聴こえるようになる点が特徴で、まるで最初からリケーブル用に高級な交換ケーブルが同梱されているようなものですね。この新しいHigh-Definitionケーブルは、新W40と新W60に付属されます。
クリス氏: 実はこの新ケーブル、仲間内では一年以上前から使っているのですが、音が最高なだけでなく、ケーブルが酸化したような緑色に変化することもありません。
カール氏: 以前のクリアケーブルでは時間が経つと色が変わってしまったのですが、今回のケーブルに関しては、同じ透明色でも変色しないように改良されています。
またこれもユーザーからの声に応えるかたちで、新シリーズではBluetoothケーブルも付属しています。W10/W20/W40/W60については第一世代のBluetoothケーブルを、W80では第2世代のBluetoothケーブルを付属します。
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