第二世代BTケーブルはクリアな音と利便性UP
Westoneの新シリーズ一気聴き!圧倒的低域の「B」と透明感あふれる「W」、魅力満載の5モデル
■最も音質変化を感じた「新W60」では、透明感の向上と低域の深さと滑らかさも両立
次に新W60を聴いた。外観上はメタルクリップの採用以外に大きな変化はないが、音響設計は旧W60から改良されている。今回試聴したラインナップの中で、新旧の音質の差はW60が一番大きいと感じた。かなり透明感が高くなり、聴き始めてすぐに分かるほどだ。
また低域がより深く、かつ滑らかに再現されている。ヴォーカルはより明瞭感が高くなって、声が良く聴き取れる。全体にシャープになっているが、高音域はほどよく透明感が高い程度であまり変わらない。だからこそ、音のキツさもなく、ここでも「さすがカートライト兄弟のチューニング」と感じられる。
新ケーブルは銀線の個性が強く出ているので、Westoneらしい暖かみあるサウンド感から、少しニュートラル寄りに音が変わった印象を受ける。W60でも旧モデルに新ケーブルの付け替えて試してみたが、ケーブルだけではなく本体の音響設計の改良の効果もかなり大きいことがわかる。
■「新W80」は抜けの良い音質に。第二世代Bluetoothケーブルはクリアな明瞭感が増す
W80においては、あまり大きく音響設計を変更していないとされており、今回の中ではもっとも新旧の差が少ない。ただ、同じケーブル、同じイヤーチップという条件で聴き比べると違いは感じられ、新W80の方がやや抜けがよく透明感が高い。大きな差ではないものの、聴き慣れた曲であれば一聴して分かるだろう。
本機の目玉は第二世代のBluetoothケーブルの標準添付だ。この新Bluetoothケーブル、回路設計は第一世代と同じだと聞いていたが、同じイヤホンで聴き比べてみると、多少音がクリアになって明瞭感は上がっているように感じられた。
また、Bluetoothケーブルにはバッテリーケースが用意され、合体させて使うこともできるという面白い特徴がある。その様子からすると重たいのでは? と思ったが、この状態でも重さはさほど変わらずに使うことができる。再生時間を延ばすこともでき、なかなか良い改良だ。
今回のラインナップの中ではやはり「B50」が目玉モデルだろう。今まで開発者がやりたくてもできなかったことを思いきりやりきったという爽快さがありつつ、全く破綻のないサウンドに仕上げられていて、そこにカートライト兄弟の熱意とチューニングの力を感じる。新Wシリーズも、リファインながら思っていたよりも変化は大きい。特に新W60の違いは大きく、旧モデルのユーザーにとって興味深いものだろう。
今まで通りのWestoneのファンにも、今までWestoneを聴いてこなかったユーザーにも、ぜひこのBシリーズと新Wシリーズの音をチェックしてほしいと思う。
(佐々木喜洋)