イヤホン「Live Loose」/ヘッドホン「Been there」も
ポップなデザイン&1万円以下で優秀サウンドの完全ワイヤレスイヤホン。JAM Audio「Live True」レビュー
■“超ハイコスパ”ワイヤレスイヤホンとして狙い目の「Live Loose」
Jam Audioのワイヤレスイヤホンの中で、入門モデルにあたる「Live Loose」。実売価格2,750円とティーン世代にも購入しやすい価格で展開するモデルながら、IPX4の防滴仕様と最大6時間のバッテリー駆動にも対応している。
φ10mmドライバーを搭載して、再生周波数帯域は20Hz - 20kHz、Bluetoothはバージョン4.2で対応コーデックはSBCのみと入門向けらしい基本スペックをカバー。イヤーピースはS/M/Lが付属。イヤホン本体は耳にかかるウィング付きの構造で、装着時のフィット感を高めている。
左右をケーブルでつなぎつつ、右の首元に3ボタンのマルチリモコン付き。音楽再生時の操作は中央ボタン押しで再生/停止、○/×ボタンが1回押しで音量、長押しで曲送り/曲戻しに対応とスタンダードな作りだ。
Live Looseでも、完全ワイヤレスイヤホンのLive Trueと同じ楽曲を試聴した。米津玄師の『Lemon』では、特に声の帯域の情報量が豊かで、明るく軽やかなタッチで聴かせてくれる。各楽器の質感もしっかりと引き出している。宇多田ヒカルの『あなた』は、歌声をクリアに立ち上がり、楽曲の聴かせどころを上手く押さえたバランスといえる。
『アナザー・デイ・オブ・サン』もピアノの打鍵の質感が自然で、ボーカルもしっかりと立たせてくれるので聴きやすいサウンドである。J-popなどの邦楽にもよく合うチューニングで上手くまとめられていて、コスパにも優れている。
■ポップなデザインと明るいサウンドの「Been there」
Jam Audioの製品ラインナップで、唯一のワイヤレスヘッドホンが「Been there」。基本スペックは、φ40mmドライバー搭載のオンイヤー型で再生周波数帯域は20Hz - 20kHz、Bluetoothのバージョンは4.2、対応コーデックもSBCと、これまで紹介したモデルと同様にスタンダードな仕様をきちんと備えている。
Been thereはシンプルなオンイヤータイプのヘッドホンながら、Jam Audioらしい特徴として、ヘッドバンドにLive Tureと同じファブリック素材を採用している。レビューで使ったブルーは、ヘッドホンの右イヤーカップに付いている○/×ボタン(音量+/-と曲送り/戻し)にイエローを使っていて、デザインにも遊び心がある。頭の大きさによってはやや側圧がキツいかもしれないが、イヤーカップのクッションも柔らかくて装着感は良い。
Live True、Live Looseに続けて同じ楽曲を聴き込んでみると、米津玄師『Lemon』では中高域を華やかに聴かせるバランスで、声の帯域がやはりクリアだ。低音の沈み込みもディープで期待通りのサウンドクオリティだ。
宇多田ヒカルの『あなた』は、ボーカルのハスキーさをやや際立たせるような、シャープな質感が特徴。一方で、ディープな低音も聴かせてくれる。『アナザー・デイ・オブ・サン』もピアノの音の輪郭をしっかり描きつつ、ボーカルやその他の楽器もバランスよく鳴らす。明るい音調にも好感が持てる。余韻を残すウッドベースのリズムも心地よい。デザインと音質のバランスの取れた入門用ヘッドホンと言えるだろう。
(折原一也)