リアルでより音楽的な再生音を緻密に再現
Grandiosoの遺伝子を継承したSACDディスクプレーヤー銘機。エソテリック「K‐05Xs」を聴く
「K-05」は、エソテリックの一体型SACDプレーヤーの銘機「K-01」「K-03」に連なる“Kシリーズ”の中核モデル。初代機が2011年に登場し、2015年には「K-05X」へと進化。独自のコンストラクションVRDS-NEOメカニズムや、再生音も含め優れたオーディオ性能が高く評価され人気モデルとなった。3世代目となる「K‐05Xs」(関連ニュース)は、フラグシップであるGrandioso K1の凝縮モデルとも言え、K1の最新DACプラットフォームを踏襲したデュアルモノD/Aコンバーター、最新のデジタル回路、強力な出力バッファーアンプと電源部を備えることで、大きな進化を遂げたモデルである。鈴木 裕が本機の実力を検証した。
■新設計デュアルモノDACを搭載。回路パターンも大幅に刷新された
一体型CD/SACDプレーヤーであるエソテリックの“Kシリーズ”。そのVRDS‐NEOのひとつ、VMK‐5を搭載した05シリーズが「K‐05Xs」に進化した。このドライブメカはアルミとポリカーボネート素材をハイブリッドにしたターンテーブルを採用。ブリッジ部にも内部損失性の高いバルク・モールディング・コンパウンドとスチール材というハイブリッド構造を取っている点が音にもよい特徴をもたらしているし、05シリーズで一貫して感じる低音感、やや柔らかい感触を持ち、音楽を魅力的に聴かせてくれる魅力を形成している。
今回のモデルチェンジの概要をまとめておこう。
Grandioso K1の流れを汲む新規設計のデュアルモノD/Aコンバーター部は、旭化成エレクトロニクス社のAK4493を採用。チャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路を構成している。
今回、出力バッファーアンプがK‐01Xsと同じ電流出力型のHCLDに変更されたほか、DAC部の出力直後にもう一段バッファーアンプ部を追加したり、DAC専用の電源部の回路パターンを改良。これが再生音を大きく進化させている。
32bitのDACデバイスを複数個組み合わせて、34bitの高解像度のプロセッシング・アルゴリズムを構築しているのは先代から踏襲しているが、このバッファーアンプ部や、リレーをなくしてFETスイッチを採用しているのが音を大きく成長させているという。
■ES‐LINK Analogも搭載。電源部も大きな進化を遂げている
そして今回、アナログの出力として通常のバランスとアンバランス出力の他に、エソテリック独自の伝送方式であるES‐LINK Analogを採用しているのも大きな特徴だ。今回新しく採用された、上位モデルと同じハイ・カレント・ライン・ドライバーの設計思想、つまり電流出力能力が高いハイスピード高性能素子を採用する考え方。05XsではK‐01/03Xsと同じHCLDバッファー回路を採用した。
これの延長上にあるとも言えるアナログ出力で、ケーブルは一般的なXLRインターコクネトを使うものの、その中を流れる音楽信号の電流は50〜100倍ほどにもなるという。ケーブル自体のインピーダンスの影響を受けにくくなり、「信号をピュアに力強く伝送することが可能」であるとメーカーでは説明している。
さらにそれらのベースとなる電源部が進化しているのも大きな特徴となっている。大型トロイダル・トランスと新設計のカスタム・コンデンサーを採用。特にコンデンサーはスーパーキャパシターという0.33Fの大容量タイプも含め、大きく進化した。
■新設計デュアルモノDACを搭載。回路パターンも大幅に刷新された
一体型CD/SACDプレーヤーであるエソテリックの“Kシリーズ”。そのVRDS‐NEOのひとつ、VMK‐5を搭載した05シリーズが「K‐05Xs」に進化した。このドライブメカはアルミとポリカーボネート素材をハイブリッドにしたターンテーブルを採用。ブリッジ部にも内部損失性の高いバルク・モールディング・コンパウンドとスチール材というハイブリッド構造を取っている点が音にもよい特徴をもたらしているし、05シリーズで一貫して感じる低音感、やや柔らかい感触を持ち、音楽を魅力的に聴かせてくれる魅力を形成している。
今回のモデルチェンジの概要をまとめておこう。
Grandioso K1の流れを汲む新規設計のデュアルモノD/Aコンバーター部は、旭化成エレクトロニクス社のAK4493を採用。チャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路を構成している。
今回、出力バッファーアンプがK‐01Xsと同じ電流出力型のHCLDに変更されたほか、DAC部の出力直後にもう一段バッファーアンプ部を追加したり、DAC専用の電源部の回路パターンを改良。これが再生音を大きく進化させている。
32bitのDACデバイスを複数個組み合わせて、34bitの高解像度のプロセッシング・アルゴリズムを構築しているのは先代から踏襲しているが、このバッファーアンプ部や、リレーをなくしてFETスイッチを採用しているのが音を大きく成長させているという。
■ES‐LINK Analogも搭載。電源部も大きな進化を遂げている
そして今回、アナログの出力として通常のバランスとアンバランス出力の他に、エソテリック独自の伝送方式であるES‐LINK Analogを採用しているのも大きな特徴だ。今回新しく採用された、上位モデルと同じハイ・カレント・ライン・ドライバーの設計思想、つまり電流出力能力が高いハイスピード高性能素子を採用する考え方。05XsではK‐01/03Xsと同じHCLDバッファー回路を採用した。
これの延長上にあるとも言えるアナログ出力で、ケーブルは一般的なXLRインターコクネトを使うものの、その中を流れる音楽信号の電流は50〜100倍ほどにもなるという。ケーブル自体のインピーダンスの影響を受けにくくなり、「信号をピュアに力強く伝送することが可能」であるとメーカーでは説明している。
さらにそれらのベースとなる電源部が進化しているのも大きな特徴となっている。大型トロイダル・トランスと新設計のカスタム・コンデンサーを採用。特にコンデンサーはスーパーキャパシターという0.33Fの大容量タイプも含め、大きく進化した。
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