NRシリーズ愛用の逆木氏が実力を探る
大人気のスリムAVアンプがさらに進化! マランツ「NR1710」は “いい音” で暮らしを豊かにする
■先進の映像・音声・ネットワーク機能を変わらぬ薄型ボディに詰めこんだ
NR1710は、4K/HDR、Dolby AtmosやDTS:Xといった最新の映像・音声仕様に対応するHDMI入力8系統/出力1系統を搭載。今後のアップデートにより、トップスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していない環境でも高さ方向を含むサラウンド感を味わえる「Dolby Atmos Height Virtualizer」の追加も予定されている。
HDMIは新たにeARCに対応し、テレビの機能で映像配信サービスを楽しむ際の接続性が強化された。また、ひとつのHDMI入力を同時に複数のインプットにアサイン可能になり、活用の幅が広がった。
NRシリーズの伝統である7chフルディスクリートアンプも、回路やパーツの見直しでブラッシュアップして搭載。本機1台で7.1chやDolby Atmos/DTS:Xの5.1.2chのシステムが構築できる。サラウンドバックもしくはトップスピーカーを使わない場合は、フロントスピーカーのバイアンプ駆動または2組のフロントスピーカーの使用が可能になる。スピーカー端子は全チャンネルにスクリューターミナルを採用し、バナナプラグにも対応する。
ネットワーク機能としては、他のD&M製品と共通のプラットフォーム「HEOS」を搭載し、各種ストリーミングサービスに対応。UPnP/DLNA互換のサーバーからの再生では、PCM 192kHz/24bit・DSD 5.6MHzまでの音源に対応する。そのほか、AirPlay 2やBluetooth(今後のアップデートで送信機能も追加される)への対応、Wi-Fi対応など、機能的にかなり充実している。
以上の充実した内容を、初代のNR1501から変わっていない105mmの高さに盛り込んでいるのはさすがと言うほかない。
■愛用中の二世代前モデル「NR1608」と入れ替えて比較視聴
筆者は現在、メインのオーディオ/シアタールーム(編集部注:Dynaudioのハイエンドスピーカー「SAPPHIRE」をL/Rに据えた6.1.4ch構成システム)のほかに、NRシリーズの2世代前のモデル「NR1608」とMonitor Audioのスピーカー「MASS」シリーズを用いた5.0chのサラウンドシステムを構築している。これは、オーディオ/ホームシアターの魅力を、多くの方に説得力を持って伝えるために、現実的な規模と価格でその魅力を味わえるシステムの必要性を痛感したからだ。
このようなシステムを構築するうえで、様々な機器と接続可能で、機能・音質ともに「妥協なき薄型AVアンプ」であるNR1608は、まさに最適な選択肢だった。
「PC周りやリビングなど、すでにある環境に無理なく導入できる」ということを強く意識した結果、NR1608とMASSシリーズによるシステムの設置で大げさなことは一切していない。それでも、フロントとセンタースピーカーをPCデスクに置くことで、スピーカーを基本に忠実に配置した、半径1メートルちょっとのスペースでサラウンドが実現できている。そして実際、定位感・移動感・包囲感といったサラウンド再生の醍醐味はこの環境でも存分に味わえる。
今回、NR1710がリビング等で使われることが多いだろうことを考慮して、サラウンド再生の試聴はこちらの環境で、NR1608と入れ替える形で行った。
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