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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第231回】64800円、でもコスパ抜群!?リケーブルDITA「OSLO cable」は便利な“だけ”じゃない

公開日 2019/06/25 06:00 高橋 敦
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端子だけじゃない! リケーブルとして普通に魅力的!

そうは言っても、便利なのは嬉しいが、便利な “だけ” のハイエンドリケーブルに6万4800円とかは出せないだろう。

だが、そこは安心してほしい。このOSLO cable、コネクター部の便利さ一点勝負のリケーブルなどではない! というか、そこ抜きにして考えても、ハイエンドリケーブルとして普通に選択肢に入れたくなるレベルに魅力的なケーブルだ。

それではまず製品仕様から確認していこう。音については後述する。

導体の線材には「オイルコーティングされたPC-Triple C長結晶無酸素銅」を採用。そのオイルとは、深海鮫から抽出のスクワランオイルとのことだ。オーディオパーツにおいても、トランスやオイルペーパーコンデンサーといった高い絶縁性を求められるものに採用されてきたというそのオイルに、シルバーとゴールドのナノ粒子をブレンド。それを導体線材表面に塗布して、表面の微細な凹凸を滑らかにすることによって、信号伝達がよりスムースで正確なものになるという。

導体の線材はオイルコーティングを施す。ケーブル分岐部のパーツも使い勝手を高めてくれている

ちなみにだが、このスクワランオイル、化粧品に使われるレベルで肌にも優しく安全性に優れ、電気的な特性だけではなく物理的な特性にも優れているので、適材適所で使えば潤滑剤としても有用だ。筆者はギターのナットとサドルでの弦の滑りの補助に使っているが、オーディオ周りだと例えば、機械的な稼働部の多いアナログプレーヤーのメンテナンスに利用しているマニアの方もなどもいらっしゃるとか。

その導体を包むケーブルの外被膜の素材はポリエチレン。太すぎず柔軟性も高く、取り回しは十分に良い。八の字巻きでケース等に収納した状態から取り出した際のケーブルのほぐれも良好。細くて柔らかすぎるケーブルは絡まりやすくほぐれにくい場合もあるが、このケーブルはその点でも使いやすい。

耳周りはいわゆる針金入りではなく、あらかじめ自然に曲げられているプリフォームドタイプ。その部分の素材の肌触りにも違和感はなく、装着感良好!

耳周りは小さめのアールに曲げられているが柔軟に広がって耳にフィットする

またケーブルの左右分岐部には、ブランド名入りのアルミらしきパーツが配されており、これには適度な重みがある。

装着感の話で “重み” というとマイナス要因に思うかもしれないが、このケーブルのこの部分については重みはむしろプラス要因。この重さによって下方向にかかる適度なテンションのおかげで、耳周りのフィットもケーブルの垂れ具合も安定する印象だ。

イヤホン側の端子については、復習になるが現在は以下の通り。
●DITA-OSLO Cable TWINS 発売中!
●DITA-OSLO Cable MMCX 発売中!

●DITA-OSLO Cable 2pin 発売予定
●DITA-OSLO Cable FitEar 発売予定


同社イヤホン「TWINS」シリーズ向けのものと汎用的なMMCXが発売中。2pinとFitEarが今後発売予定だ。今回はMMCXの製品版と2pinの試作サンプルをお借りできた。なお、2pinはこの試作サンプルから発売まで今後も調整を加えていくとのことなので、製品発売時にはここから下に記載されている内容から変更があるかもしれないので留意!

そのMMCXと2pinのポイントとしては、先端側に段差が用意されているところに注目。

2pin端子は凹スリットも入れられている

こんな感じに端子部が接続部にちょっとスペースが空く場合もあるが、それにも意味が…

これは受け側がいわゆる「埋め込み型」になっているイヤホンとの組み合わせにも配慮してのことだろう。その代わりに、埋め込まない型のイヤホンとの組み合わせでは根元が少し露出してしまい、端子全体の長さもやや長めになってしまうが……。

だが、このケーブルの「組み合わせを選ばない汎用性重視!」というコンセプトに照らし合わせれば、イヤホン側端子でのこの対応にも納得できる。万能のDAP側端子+汎用性にも配慮したイヤホン側端子のおかげで、様々な組み合わせで問題なく活用できるはずだ。

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