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高い完成度

ソニー “爆売れ” NC完全ワイヤレス「WF-1000XM3」自腹購入レビュー。長所たくさん、要改善点も

公開日 2019/10/22 06:40 編集部:風間雄介
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長所(4)機能「盛り盛り」なのにそれほど大きくない。装着感良好

読んで字のごとくだが、これだけの機能を、よくこの大きさにまとめ込んだな、と感心する。イヤホン単体のバッテリー時間も6時間と十分だし、左右にタッチセンサーも搭載。アプリで機能のカスタマイズもできるし、外音を素早く聴き取れる「クイックアテンション」機能を、タップ&ホールドですぐに呼び出せるのも嬉しい。ちなみにクイックアテンションは、コンビニのレジなどで、すごく便利に使える。

左右にタッチセンサーを搭載。機能をアプリでアサインできる

また、遅延が低く抑えられているのも本機の魅力だ。動画を見たり、ゲームなどをプレイする際、遅延は低ければ低いほどよい。iPhoneと最新AirPodsとの組み合わせにはわずかに劣るものの、本機も非常に高いレベルにある。

装着感も、さすがによく研究されており、その成果が採り入れられている。もちろん個人差は大きいはずだが、少なくとも私はすんなりと装着できた。多くの種類・サイズのイヤーピースが付属しているので、どれかはフィットする可能性が高いだろう。これだけの高機能を、装着感を損なわずに、このサイズにまとめ上げているのはさすがの一言だ。

長所(5)音質は「そりゃあ売れるわ」と唸る完成度

音質はどうかというと、これもかなりのハイレベルだ。あえてDSEE HXをオフにし、Amazon Music HDであいみょん「マリーゴールド」を再生すると、イントロのギターのキレが良いことにまず好印象。さらにボーカルも、軽くざらつき乾いた部分と、伸ばしたときの滑らかさが同居する彼女の声質を、とてもよく表現する。完全ワイヤレスでここまでの表現力を備えているのか、と舌を巻くほどだ。とにかく中域の解像感が良く、声に被せたフィルターのかかり方までよくわかる性能は素晴らしい。

次にOfficial髭男dism「Pretender」を再生。こちらはDSEE HXをオンにすると広がり感、臨場感が高まったので、その設定のまま試聴した。まず、イントロのドラムの沈み込みが深く、しかも質感を伴った良質な低音であることに気づく。これが表現できないイヤホンの、なんと多いことか。

そして、「♪Good bye 君の運命の人は僕じゃない」から始まるブレイクの部のキレの良さにもハッとさせられる。寂しげな歌詞を清涼感あるボーカルで朗々と歌い上げるところに、この曲の独特な魅力があるが、表現力の高いイヤホンで聴くと、その楽曲の特徴が、より克明に伝わってくる。

イヤホンのノズル部。同梱しているイヤーチップの種類が豊富なのも本機の特徴だ

ほかの楽曲も聴いてみたが、全体的にボーカルの表現力が高いと感じた。また、ノイキャンON/OFFで音質がほとんど変わらないのもよい。明確な弱点のないバランスの取れたサウンドで、それが完全ワイヤレス、しかもノイキャン搭載モデルとなれば、「そりゃあ売れるわ」と素直に感じる。

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