【特別企画】「ピエール中野」音質監修モデル
凛として時雨、だけじゃない!AVIOTの万能型完全ワイヤレス“ピヤホン”を徹底レビュー
ルックスと共にピヤホンの雰囲気を演出してくれる大きな要素は、電源オンなどの音声ガイダンスに、凛として時雨がオープニングテーマを担当したアニメ『PSYCHO-PASS』より、常守監視官(CV: 花澤香菜)をお迎えしていること。システム音声としてその声が聞こえてくると若干の「常守……シビュラシステムに取り込まれちまったのか……」感もあるが、やっぱり、いやかなり嬉しい。
■ぶっ続けで “時雨ても” 疲れないナチュラルサウンド
いよいよそのサウンドを紹介していこう。ベースモデルのTE-BD21fを「シャープでクリア」と表現するなら、こちらTE-BD21f-pnkの持ち味は「ナチュラルでクリア」。前者をデジタル的な高解像度とするなら、後者はアナログ的な高解像度。ともにハイエンドなデジタルカメラとフィルムカメラの写真の感触の違い。そんなイメージだ。
それではTE-BD21f-pnkの持ち味を、まずは凛として時雨による『PSYCHO-PASS』の2曲、「abnormalize」「Enigmatic Feeling」でチェックしてみよう。
TE-BD21fでは、シンバルの薄刃さやギターの金属的なキレなど、高域の良質な鋭さが際立つ。低域もタイトにまとまり、ベースやドラムスは骨太さで迫力を出している。シャープでコンパクトな音像が綺麗に配置されるので、無数の音が高密度で配置されたバンドサウンドの情報量も、そのすべてがくっきりと届いてくる。低域から超高域までバランスよく再現できるハイブリッドドライバー構成の強みを素直に発揮させたチューニングだ。
対してTE-BD21f-pnkでは、ハイブリッドならではのワイドレンジさや情報量も生かしつつ、音色はより滑らか。そしてひとつひとつの音を明瞭に分離させ過ぎず音の響きを重ねて、バンドサウンド全体のなじみも重視したチューニングが感じられる。そしてそれが、凛として時雨のサウンドにもフィットしているのだ。
例えば、ギターのジャキッとした荒いキレは少し落ちつくので、この1曲2曲だけを聴くとベースモデルの方がインパクトは強いかもしれない。しかしファンであれば、アルバム単位、あるいはお気に入りの曲を集めた「My Best 凛として時雨」プレイリストで、1時間や2時間、ぶっ続けで凛として時雨の楽曲を聴くことも多いのではないだろうか?
TE-BD21f-pnkの恩恵は、そんな時にこそ「なるほど!」と体感できるだろう。ナチュラルな音色と全体の馴染みのおかげで、ぶっ続けで時雨を聴いても耳が疲れにくい!それでいてキレや情報量も自然に確保されているので、集中して聴き込んでもそこに不満を感じることはない。だから何時間でも浸れるのだ。長時間でも聴き疲れしにくい利点は、「Telecastic fake show」「テレキャスターの真実」といったキレキレ曲を少し大きめの音量で聴いてみると、より実感しやすいかもしれない。
また「テレキャスターの真実 (2015 mix)」のイントロからAメロでは、キレだけではなく厚みもあるギター、ドラムスの胴の響きのふくよかさやリバーブによって自然に奥に引いた定位感、ベースの重心の低さなどにも注目。凛として時雨ならではの凶器的なサウンド、しかしその土台にはより普遍的で豊かな音色、バンドサウンドがある。TE-BD21f-pnkはそこもしっかり届けてくれるのだ。