凛として時雨、だけじゃない！AVIOTの万能型完全ワイヤレス“ピヤホン”を徹底レビュー

■星野源！フィロのス！Pefume！花澤香菜！何でもこい！！！

TE-BD21f-pnkを購入したからといって、凛として時雨しか聴かないわけではないはずだ。というわけでここからは、様々なスタイルのサウンドとの相性を確認した。

例えば星野源「Crazy Crazy」は、高域を抑えてもこっとさせた音色、主要な楽器を中央にまとめたモノラル風の定位など、あえて古っぽい音を狙ったビンテージサウンドだ。ナチュラルサウンドを持ち味とするピヤホンはこれとの相性もバッチリ。モノラル風の音場における全体の一体感、馴染みの良さなど、むしろこれに合わせてチューニングされてるんじゃないか？！というレベルでしっくりくる。

続けてフィロソフィーのダンス（フィロのス）「イッツ・マイ・ターン」を聴いてみたら、これもハマる。フィロのスはアイドルグループだが、そのサウンドは本格的すぎるファンクやソウル。その鍵となるのはグルーヴ、特にベースの感触だ。バンド全体を支える大きくふくよかな音色でありつつ、グルーヴを叩き出すアタックやキレも必要。その二つの要素を、ピヤホンは見事なバランスで両立させてくれる。

そこから正反対のサウンドということで、Perfumeの曲の中でも特にバッキバキにハードな「Spring of Life (Album-mix)」も聴いてみる。これも良い。シンセとシンセベースのアナログ的な艶やかさやモッチリ感、重量感が際立つ。情報量の多いサウンドを、それを生かしつつ、聴き疲れはしないナチュラルさにまとめてくれるのが嬉しい。

最後に、花澤香菜「Trace」を聴く。スティング「Shape of My Heart」のようなギターフレーズを背景に、柔らかな声が幾重にも重なるハーモニーが聴きどころの情感溢れる楽曲だ。声のふわっと広がる柔らかさ、そして溶け合いながらもそれぞれの意味を感じさせるハーモニーを、聴き惚れるほどの素晴らしさで届けてくれた。花澤曲は他のどれを聴いても素晴らしいので、それを目当てに購入しても納得できるだろう。

■コラボだけどピンポイントじゃない、オールラウンダー完全ワイヤレスイヤホン！

TE-BD21f-pnkのチューニング、音を確認してみて思うのは、凛として時雨のドラマー、プロミュージシャンとしてのピエール中野さんの視点だけで作られたのではないということ。幅広い嗜好を持つ音楽ファン、音楽リスナーとしてのピエール中野さんの感性も色濃く反映されているのだろうと改めて実感した。

もちろん凛として時雨ファンは、ピエール中野さんへの信頼ベースの即買いで間違いない。一方で、そうでないイヤホンファンにとっては、「コラボモデル＝特定アーティスト特化型サウンド」という先入観もあるかと思う。しかし、ピヤホンことTE-BD21f-pnkはそれに当てはまらない。音楽ファン全般におすすめできる普遍的なグッドサウンドに仕上げられている。

いま完全ワイヤレスイヤホンの導入を考えている音楽ファンの全員に、ぜひ選択肢に入れてほしいモデルである。

（特別企画 協力：バリュートレード）