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【特別企画】高音質と先進機能が詰まった注目機

レコードからサブスクまでこれ1台でOK。新時代の正統派プリメイン・マランツ「PM7000N」実力検証

公開日 2019/11/01 07:30 土方久明
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まずは最近筆者がリファレンスにしている、ホセ・ジェイムズ「Lean On Me」(44.1kHz/24bit)を聞いた。一聴してSNの良いハイファイ調のサウンド傾向で、特に低域が力感と立体感に溢れているところが印象的だ。音域から低域までのfレンジが広く、ダイナミックな表現だ。一言でいうと気持ちが良い音。ボーカルは等身大にスピーカー中央に定位してバックミュージックと明瞭に分離するから、いわゆる音像表現も悪くない。この価格帯のアンプを購入される方の期待を裏切らない、高クオリティサウンドと言える。

「PM7000N」は10万円台のアンプにふさわしいハイファイ調のサウンド傾向、と土方氏も評価

それにしても、Amazon Music HDで試聴可能なロスレス・ハイレゾ音源の楽曲数は膨大で驚嘆する。有名アーティストや著名レーベル、名盤の多くが44.1kHz/16bitから192kHz/24bitまでのFLACフォーマットで用意されているし、邦楽のタイトルもかなりある。例えばオーディオファンに人気の女性ジャズボーカリスト、ダイアナ・クラールで検索すると、ほぼ全てのアルバムが揃っているし、Blue NoteやECM、GRAMMOPHON、DECCAなどのタイトルも膨大だ。しかも多くがCD/ハイレゾ発売と同時に聴取可能なのだがから、もはやストリーミングサービスを使わない手はないだろう。PCオーディオのように手間のかかる設定を行わなくても、契約さえしていれば直ぐに聴取可能なのは何よりもありがたい。

手持ちの音源だけではなく、サブスクサービスの膨大な音源を手軽に聴けるのは、音楽好きには有り難い限りだ

PM7000NはAmazon Music HDのほか、SpotifyやAWA、SOUNDCLOUDにも対応しているので、既に契約しているサービスがある方はスムーズに使用できるはずだ。


NASのネットワーク再生やUSBメモリ再生も、価格帯以上のサウンドで楽しめる

続いてNASにfidata「HFAS1-H40」を用いたネットワーク再生を行う。試聴した楽曲はアンドリス・ネルソンス指揮の「ショスタコーヴィチ:交響曲 第6番 & 第7番、他」(96kHz/24bit)。本楽曲では優れたスピーカー駆動力とオーケストラのサウンドステージ表現の素晴らしさを実感した。このようなオーケストラ楽曲では、フォルテシモで曲が盛り上がってくると、コントラバスを中心とした低域楽器が存在感を増してアンプの本質的な駆動力が試される。PM7000Nはまさにその部分の表現力が素晴らしいのだ。サウンドステージは広く、奥行きや高さ方向の表現力、そしてフロア型スピーカーを楽々と駆動できた所もクラスを超えて秀逸だ。

最後は、フロントのUSB-A端子にUSBメモリーを再生して、CDリッピングした、セリム・スライヴ・エレメンツの「ヴォイス」(44.1kHz/16bit)を再生した。本楽曲は、ブルーノートやマイルス・デイヴィスについて多くの著書があるジャズ評論家の小川隆夫氏が、人気J-ジャズバンド・quasimodeのリーダー平戸祐介と手を組みエレクトリック期のマイルスを現代に蘇らせるコンセプトで制作されたアルバム。最近、筆者のジャズリファレンスとなった1枚だ。

そのコンセプト通り、まるでマイルスがその場にいるような緊張感が表現できており、熱気が伝わってくる。空気感の良さは本機の聴感上のSNが高いことが作用しており、現代的なDレンジ/fレンジが広い楽曲も完全に支配下に収めている。この価格帯のアンプとしてはかなり高い音楽性を持っていることがわかった。





結論から話せば、「PM7000N」はコンセプトが素晴らしい。まずプリメインアンプとしての音質が気に入った。ミドルクラスの製品としてアンプの駆動力が良く、明るいハイファイ調の音質で、PM7000Nのプリメインアンプとしての進化は本質的な部分に及んでいることを実感した。

それに、本格的なプリメインアンプでありつつ本格的なハイレゾファイルとストリーミング再生機能までついてくる事は特筆点だ。HEOSアプリはレスポンスとよく考えられたグラフィカルユーザーインターフェイスにより操作性が良く、筆者も高く評価しているのだが、それもあり、単体ネットワークプレーヤーと同じ操作性でハイレゾファイル・ストリーミングサービスを楽しめるのは大きな魅力だ。

また、現時点では数少ない「Amazon Music HD」対応機であるところもポイントだ。本サービスはAmazonの知名度とハイレゾ配信される楽曲数が多いことから、日本におけるハイレゾストリーミングサービスの主流となる可能性さえある。

PM7000Nは極めて先進的なアプローチを持つアンプで、購入後の満足感は驚くほど高いだろう。買い替えと新規導入の両方で、かなり有力な選択肢になる1台だと断言したい。


(協力:D&Mホールディングス)

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