Roon Readyにも対応
ESOTERICの二大ネットワークプレーヤー「N‐01/N‐05」。2人の評論家が徹底検証、その魅力を語る
■再生方式で現れた違い。それぞれの良さを実感
まず試聴は、オーディオNASを使ったUSB再生から始めた。N-01は濃厚な音であるが、実にワイドレンジかつフラットレスポンスな音が特徴で、空間表現力を備え、超高解像度である。
対してN-05は、中低域が実に濃厚で、音にゆったりとした雄大さが感じられ、両機の音の違いを実感させる。ちなみにこの濃厚さは、DACの安定化電源にスーパーキャパシターを使っているからだと推察される。ただし決してヤワな音というわけではなく、音には透明度があり、音像の骨格がしっかりとしている。
次に、オーディオNASを使用したネットワーク再生を行った。この再生では、N-01とN-05両機ともにほぼ同じ変化を感じた。一気に音の抜け、解像度が向上し、奏者と歌い手の実在感が鮮明となったのだ。
両機ともUSB入力で対応するDSD 11.2MHzの音も魅力ではあるが、このネットワーク再生ではそれ以上のベールを一枚剥いだような鮮度の高さが感じられた。
最後にRoon Readyを用いたネットワーク再生だ。N-01ではとにかく音像が大きくなり、明らかに音の厚み、スケール感が増した印象を受ける。解像度にも満足でき、音像の輪郭も明瞭になって、まるで「スーパーアナログ」とでもいうような色濃い音になる。
N-05もより一層、中低域の厚みが増し、管楽器や弦楽器、ヴォーカルでは粘りのあるクリーミーな音質へ変化した。ボリューム感たっぷりの音であるが、立ち上がりの良さは維持される。
ネットワークプレーヤーの再生方式でこのような音の違いがあるとは実に興味深いし、再生の楽しみも増す。アナログ再生も好きな身としては、スーパーアナログを感じさせたRoon Readyでの再生には、個人的にもチャレンジしてみたいと思うところである。
(角田郁雄)