【特別企画】他にはない和テイストのカラバリも魅力
あの “final” 監修の音をお手頃価格で。agの完全ワイヤレスは「めったに出会えない」逸品
ケースの大きさは特にコンパクトではないが、それにも理由がある。実はこのケース、ちょっとしたモバイルバッテリー並みの、容量2,000mAhのバッテリーが搭載されているのだ。おかげで、イヤホン本体の連続再生は3時間とそれなりだが、ケースと併用した際の再生時間は最大39時間とロングバッテリーを実現している。
さらに、実際にモバイルバッテリーとしても使える。モバイルバッテリーを常に持ち歩くほど不安があるわけではないけれど、たまにスマホが電池切れになりそうなこともある。そんな時にちょうど良い安心感を与えてくれる “おまけ機能” だ。モバイルバッテリーとしての使い勝手にも配慮してか、バッテリー残量のLEDは4段階表示で、細かく把握できるのも地味に嬉しいポイントである。
他にも、一般的な黒や白と比べて汚れが目立ちにくい半透明イヤーピースに加え、耳の小さな人に向けてのfinal E TYPEイヤーピースのSS/S/Mサイズも付属するなど、細かな配慮も行き届いている。なお、イヤホン・ケースともに防水仕様ではなく、充電端子にはMicroUSBを採用している。
音質については、安心の「final監修」だ。TWS02Rでは特に「タイトな低域とクリアで伸びのあるボーカル」を意識したチューニングを施したという。
「タイト」という言葉だけを聞くと、スリムな低域を思い浮かべるかもしれない。しかし実際に音を聴くと、「ボリューム感を出しつつ、タイトさも損ねない低域」という表現が正確だろう。特に星野源、早見沙織の曲などで聴く、バンドサウンドでのエレクトリックベースでは、十分に豊かな膨らみでバンドの下半身をどっしりさせつつ、散漫には膨らまず、しっかりとした弾力のある音色という印象。おかげで腰の座ったグルーヴ感が際立つ。
一方、Robert Glasper Experiment「Human」では、生半可なイヤホンでは膨らみすぎになりがちなベースを、それこそタイトにまとめあげる。ベースを膨らませる低音域は引き締めつつ、それよりも低い、沈み込ませる低音域をしっかりと鳴らすことで、ベースの重心を下げ、グッとくるベースラインを奏でてくれるのが嬉しい。
中高域はシャープさも確保しつつ、柔らかな厚みも印象的。シンバルやギターが鋭すぎることもなく、明瞭ながらも落ち着いた音色だ。ややパワフル傾向の低域と落ち着きのある中高域のコンビネーションで、ファンク系にせよクラブ系にせよ、横揺れ系グルーヴな曲との相性は特に良いと感じる。
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