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抜群の装着安定性。“走るひとのための”完全ワイヤレス、GLIDiC「Sound Air SPT-7000」レビュー
なにはともあれ、まずはペアリング。本機は充電ケースから取り出すだけでペアリングモードに入るので、あとはスマートフォンに表示された「GLIDiC SPT-7000_R」をタップするだけでいい。手持ちのXperiaで試してみたが、いとも簡単にペアリングしaptXで接続された。
さっそく耳に装着してみると、どこか不思議な感覚がする。カナル型の完全ワイヤレスイヤホンでは耳孔にしっかり差し込む形で使うが、SPT-7000の場合「耳孔付近に軽く引っ掛ける」感じなのだ。正直、走っている間にポロリと落ちてしまうのでは?と思い、外へ走りに出る前にストレッチをすることにした。
まずは腹筋を50回。2秒に1回ペースで上半身を起こす作業を続けてみるが、SPT-7000は変わらず軽く引っかかっている。続いての腕立て伏せ50回も、腹筋以上のハイペースで進めてみたが、外れそうな気配はない。その後のストレッチでも、体を捻ったり頭を左右に振ったりしてみたが、耳もとに添えられているかのような “ふわっとした存在感” は変わらない。
この不思議な安定性はどこから来るのか。装着したSPT-7000をゆっくり押したり引いたりして調べたところ、特長として挙げた「Run-fit形状」と「FREEBIT」の相乗効果が非常に高いという結論に達した。
SPT-7000を装着すると、ハウジングのノズル部分が耳穴の空間に自然と緩く収まり、その位置をスタビライザーのFREEBITが適度に固定する。重力のベクトルが耳孔方向へ向いていると言えば正しいだろうか。外れないように均衡がとれているので、ふわっとした装着感なのに不思議と安定する。
なお、イヤーピースとFREEBITはS/M/Lサイズが用意されており、組み合わせは自由だ。装着前に自分の耳にぴったりと合うサイズを確かめて、一番フィットするものを使って欲しい。
いざ外に出ると、これまでのスポーツ用完全ワイヤレスイヤホンとの明らかな違いを実感。周囲の音が自然にすっと耳に入ってきて、クルマの走行音や前方から歩いてくる人の気配がはっきりわかるのだ。この聞こえ方が、外音取り込み機能と比べてナチュラルなところもいい。
もっとも感心したのは、頭部に伝わる着地時の振動がほとんど感じられないこと。ボリュームに関係なく響くあの振動は、音楽のリズムと同期しないだけに不快なもので、経験者なら大いに頷けるはず。
走ること30分、約5キロのルーティンコースを回る間にSPT-7000が耳から外れることは一度もなかった。着地時の振動がほとんどないこと、追い越しの自転車がベルを鳴らす前に気配を感じて避けられること、そして予想を超える安定性。なるほど、よくできていると感心した次第だ。