【特別企画】テクニクス「SL-1000R」で試す
アナログ周りにも効果を発揮! フルテック「NCF Booster」シリーズと電源ケーブルでグレードアップ検証
■さらに適材適所の追加導入で、大幅な再現力の向上を確認
情報量を右肩上がりに増やし、ネガティブな点は出てこない
この後はひとつひとつの詳細は端折るが、「前述の状態にさらにBraceをプリとフォノEQの電源プラグが差さっている電源ボックス上に置く」「フォノケーブルのプレーヤー直近にBooster-Signalを追加」「フォノEQに繋がるフォノケーブルの途中をSignalで支える」「フォノEQからプリへのRCAケーブルの途中をSignalで支える」と投入していったが、音の情報量は右肩上がりに増える一方で、ネガティブな部分は一切出てこない。
最初からの音の変化を、渓谷に渡るロープに例えてみよう。初めは霧が出ていて、ロープがうっすら見えているだけだったのに、霧が晴れ、空気が澄み渡り、最終的にはそこに人がぶら下がっているとか、人の表情まで見えてくるとか、ロープがナイロンを撚ったものであるとか、そんなところまで聴こえてきてしまう変化。なにしろ音の情報量が凄く増え、よく立ち上がり、切れ込み、向こうから音や音楽が来てくれる。そのリアリティの素晴らしさ。NCF Boosterシリーズなしには、到底この再生音の世界には到達できないだろう。実に凄かった。
■フォノケーブルAg-16(DIN/RCA)を聴く
質感表現に長けて反応が良く、広い低域レンジも魅力
純銀コーティングα-occを導体とする、同社ミドルクラスのフォノケーブルAg-16を聴いた。最低域方向にレンジが広く、エネルギー感も余裕がある。高域のメタル楽器などを、見事に質感表現してくる。反応が良く、音の立ち上がりも揃っている。素材自体が良質の導体で、より多くのエネルギーを届けてくれる印象だ。特に低域や最低域は、その素材や構造の優位性を感じさせる。使い込むほどに魅力を高めていく、素性のいいフォノケーブルである。