ノートPCからの移行もOK?
新「iPad Pro」レビュー。LiDARや2カメラ、マウス対応など大きく進化
■キーボード入力が安定したiPadOS 13.4を試す
本体と同時に発表された専用アクセサリーの「Magic Keyboard」は、新しいiPad Proと同じぐらい注目を浴びている。その出来映えやタイピング感が気になる方も多いだろうが、発売が少し先の5月に予定されているため、残念ながら今回は試用できなかった。またあらためて詳細をレポートしたい。
Magic Keyboardについては、筆者は取材先でiPad Proを使って原稿を書く機会が多いので、発売されたら真っ先に購入したいと思っている。新しいMacBook Airに搭載されたキーストローク1mmのMagic Keyboardと同じキータッチを実現しているのなら、長文タイピングのストレスが大幅に軽減されるはずだ。
昨年秋にiPadOS 13がリリースされてから、日本語入力の文字変換がやや不安定に感じられることがあった。今回iPadOS 13.4がインストールされている新しいiPad ProとSmart Keyboard Folioの組み合わせで、アップル純正の「メモ」アプリやサードパーティーのテキストエディタアプリで日本語入力を試してみたが、日本語入力の安定感が戻っていた。これで心置きなくMagic Keyboardの購入に踏み切れそうだ。
ちなみにMagic Keyboardには、iPad ProからSmart Connector経由で給電される。Magic Keyboardにはバックライトキーが搭載されているので、Smart Keyboard Folioを装着した場合に比べてバッテリーの減りが変わるかどうかも気になっている。だがUSB-C充電器とケーブルで、Magic KeyboardからiPad Proへのパススルー充電もできるので、電源を確保できる場所で作業する分には心配無用だろう。
そのほかMagic Keyboardを間に介し、Smart Connetor経由でデータ同期が行えるのかも気になっている。またその際、iPad Pro本体のUSB-Cコネクタも併用し、Macとデータを同期しながらiPad ProにUSBマスストレージを接続し、データを読み込むといった使い方ができるのかなど、本アクセサリーについては試してみたいことが山積みだ。
■マウスが簡単にペアリングできる
iPadOS 13.4から、すべてのiPadでマウスやトラックパッドが快適に使えるようになる。対象はアップル純正のポインティングデバイスである「Magic Mouse 2」や「Magic Trackpad 2」のほか、サードパーティ製のBluetooth、またはUSB接続の有線マウスまで幅広い。
接続方法も、設定の「アクセシビリティ」からアクセスしていたiPadOS 13の初期段階から更新され、Bluetooth接続メニューにマウスやトラックパッドが表示されるようになり、ここからダイレクトに選択するだけでペアリングが完了する。
室内を歩きながらスマート家電をアプリで操作したり、ゲームを楽しむ際には従来通りタッチパネルの操作が手早いが、キーボードのほかにマウスやトラックパッドまで使えるようになると、WordやExcelなどビジネス系アプリを使うファイルの作成がますますはかどる実感がある。
マウスカーソルも驚くほど洗練され、テキストにカーソルを合わせると、自動的に最適な見やすい形状に変化する。第2世代のApple Pencilを併用すれば、iPad Proの画面に指で触れる機会も減るので、画面をきれいな状態に保てるのも嬉しい。
これまで、iPadでマウスが使えなかったことを理由にノートPCからの買い換え・買い増しをためらっていた方にもぜひ試してみてもらいたい。
■iPadの新たな進化は、この新しいiPad Proから始まる
新しいiPad Proは、最新のA12Z Bionicチップを搭載したことで底力が上がった。LiDARスキャナを搭載するマルチレンズカメラによって、これからARやXRのテクノロジーを盛り込んだアプリやゲーム、その他のサービスなどが充実してくることを大いに期待したい。
またMagic Keyboardの登場により、Smart Connectorに多様な拡張性のポテンシャルがあることもわかった。
新しいiPad Proから始まる「iPadの新たな進化」の道筋が見えてきた。
(山本 敦)