<山本敦のAV進化論 第187回>
ソニー「Xperia 1 II」ハンズオン! 画質・音質が飛び抜けた「今すぐ欲しい5Gスマホ」
■進化したシネマワイド体験。ディスプレイまわりの注目機能
アスペクト比21対9の4K/HDR対応有機ELディスプレイをフルに活かしきった「シネマワイド」体験は、Xperia 1 IIでも健在だ。画面サイズも約6.5インチとXperia 1から変更されていない。フロントカメラのまわりに無理矢理切り欠きを設けてまで、デザインを “ベゼルレス風” にしようと欲張らないXperiaだからこそ、本当の意味での深い映像への没入感が味わえる。
Xperia 1から初めて採用されたクリエイターモードは、画質設定パラメーターをソニーの業務用マスターモニター「BVMシリーズ」に合わせ込みながら、映像のプロがこだわりを込めて作ったコンテンツの色彩・コントラスト感を忠実に再現することを狙った機能だ。詳細については以前に本連載で開発者にインタビューもしているので合わせて読んでほしい。
Netflixの再生時に、画質設定を自動的に「クリエイターモード」に切り換える機能も継続して搭載されている。そして21対9のシネマワイド体験が存分に味わえるHDR作品は、Netflixのカタログでわりと多く見つけられる。特にNetflixオリジナルの『ローマ』『ブライト』『6アンダーグラウンド』『アンカット・ダイヤモンド』や、『アースクエイクバード』のように近年公開された映画作品の中からシネマワイドのコンセプトと相性の良い魅力的なタイトルが見つけられる。
本機の発売に合わせて、背面に開閉式のスタンドを備えて、動画視聴の際に本体を立てて設置できる専用ケース「Xperia 1 II Style Cover with Stand」も用意される。スリムで軽く、ふだん使いのスマホケースとしての実用性も高い便利なアクセサリーだ。
Xperia 1 IIから映像の「ホワイトバランス」設定に画面をプレビューしながら、標準光源/色温度の値を参照して好みの色合いにカスタマイズできる「マニュアル設定」が加わった。静止画再生時にも高い効果を発揮しそうだ。
動きの速い動画の再生時には「残像低減設定」をオンにすると、60Hz駆動の性能をベースとするディスプレイのフレームレートが90Hz相当にまで高められ、ホールドボケが改善される。タッチパネルの検出性能は120Hz対応なので、動画だけでなくモバイルゲームのプレイ感向上にもつながる。例えば21対9の画角に対応したFPSゲーム『Call of Duty:Mobile』は、残像低減設定をオンにして楽しむとその効果がとてもよくわかるコンテンツだ。
■5Gを待ってる場合じゃない。Xperia 1 IIの高画質・高音質は今すぐ楽しみたい
本体側面のエッジに優美な丸みを設けたXperia 1のエレガントなデザインも魅力的だったが、ディティールの精悍さが増したXperia 1 IIは、より “プロっぽい” ルックスになり、ガジェットファンの物欲に揺さぶりをかけてくる。本体側面に搭載していた指紋認証センサーは電源ボタンと再び一体になった。センサーの感度がアップしただけでなく、ボタンのクリック感も心地よく使いやすかった。
Xperia初のZEISSレンズを採用したマルチレンズカメラにも心奪われる。「ZEISS T*(ティースター)」コーティング対応レンズであることを示すロゴも、思わず見せびらかしたくなる。カメラ機能に関してはまた別の機会に、あらためて新機能である「Photography Pro」や、グレードアップした「シネマプロ」の使い勝手と一緒に報告したい。
春以降、国内通信キャリアが一斉に5G対応のスマホを発売する。5G通信のエリアがまだごく狭い範囲に限られているため、5Gスマホを今すぐに買うべきか、迷う声も聞こえてくる。5G体験を味わい尽くせる日はもう少し先だとしても、ソニーのXperia 1 IIは様々なモバイルエンターテインメントを最高の画質・音質で楽しめるスマートフォンとして、今すぐ買って損はない即戦力と断言したい。
(山本 敦)