Spotify/Amazon music HD対応モデルをテスト
音楽ストリーミングサービスを高音質で楽しもう!人気「ストリーマー」9モデル一斉試聴
そこでポイントとなりそうなのが、ストリーミングサービスの存在だ。数百万から数千万曲の楽曲が、アルバム、楽曲単位で聴取可能で、自宅にいながらにしてたくさんの音楽に出会うことができる。今回は、このサービスを利用できるオーディオデバイス「ストリーマー」の一斉レビューをお届けしたい。
■豊かなリスニングライフを実現する人気の9モデルを紹介
「ストリーマー」という名称はあまり馴染みがないかもしれない。海外ではNAS等を用いたネットワーク再生や、SpotifyやTIDALなどのストリーミングサービスを利用できる “ネットワーク再生可能なオーディオ機器” をストリーマーと呼んでいる。例えば、単体ネットワークプレーヤー/トランポートや、ネットワーク再生機能つきのプリメインアンプ/AVアンプ/アクティブスピーカーなどもストリーマーの仲間だ。
ここではもっとシンプルに、有線LANやWi-Fiなどの無線ネットワーク環境を利用して、「ストリーミングサービスを楽しめるデバイス」のことをストリーマーと考えてみよう。ちなみに無線といえば、Bluetoothを利用したシステムもあるが、Bluetoothで接続している場合は着信時に音楽再生が途切れてしまうなど、音楽を楽しみ尽くす場合には不便な点もある。それに対してストリーマーは、スマートフォンを純粋に「リモコン」として扱い、家庭内のネットワークを利用してユーザビリティに優れた音楽再生専用システムを構築できるというメリットがある。
音質についても、圧縮音声で信号を送るBluetoothに対して、有線/Wi-Fiを利用するストリーマーではロスレス伝送が可能と、Bluetoothと比べて音質面でもアドバンテージがある。弱点といえば、家庭内にネットワークが入っていないといけないこと、Bluetoothと比べて初期設定に若干時間がかかることなどがある。
筆者は多くのタイプのストリーマーを試してきたが、アンプやスピーカーなどにストリーマー機能がついた場合の使いやすさは圧倒的だった。ストリーミングサービスへの申し込みは別途必要になるが、アンプ内蔵型のストリーマーならば、スピーカーと組み合わせるだけで何千万曲を自由に再生することができる。すでにある程度高品位なオーディオシステムを構築している場合は、ストリーマー機能特化のアイテムを導入することで、音質面でも妥協のない音楽の楽しみ方が可能になる。
さらに、ストリーマーと各種のストリーミングサービスを組み合わせれば、デジタルファイル再生を充実させるために必須スキルだったファイル管理やタグ管理さえ必要ないのだ。一回設定してしまえば、CD再生よりもスムーズに膨大な音楽を聴取できる。
今回はストリーマーを代表する人気製品9モデルをテストした。その選定条件は、国内に正式導入されているストリーミングサービスのSpotifyと、Amazon Music HDの双方、あるいはどちらかが再生できること。また、音質と同時に、 “その機器を導入すると、試聴スタイルにどのような変化がもたらされるのか” まで深掘りして記述した。
外出がなかなかできないいまだからこそ、これまで出会うことがなかった音楽までを心ゆくまま聴取できるストリーマー導入は大きな意味があるだろう。音楽ストリーミングサービスによる豊かなリスニングライフを送って欲しい。
【試聴楽曲】Amazon Music HD/Spotify