音質の良さに驚き
Amazon 新「Fire HD 8」レビュー。1万円切りタブレットはどれだけ使える?
とはいえ、iPad miniの現行モデルの価格は、64GBモデルでも45,800円(税抜)。Fire HD 8はその4分の1以下の価格だから、そもそも比べること自体ナンセンスなのだが、iPadの人気が高いこともあり、どうしても比較対象に置いてしまうのだ。
続いて画面を見てみよう。8インチディスプレイの解像度は1280×800ピクセルで、画素密度は189ppiだが、実際の画質はというと、あまり解像感が高くない。色の正確性、コントラストなどについても、決して良いとは言えない。
ただしこれも、iPhoneやiPadを見慣れているからかもしれない。これらと比較すると、どうしてもディスプレイのアラを感じてしまうが、ここで再び「1万円切り」という事実を思い返すと、十分納得できるクオリティだ。
特にモノクロの漫画との相性は良いと感じる。Eインクを搭載したKindleデバイスでは、どうしてもスクリーントーンなどがガタついて表示されるが、そういった心配がない。
カメラは背面に一つ、前面に一つ備えている。背面カメラで撮影してみたが、最近のスマホのカメラ性能が良すぎることもあって、それらと比べるとガッカリするかもしれない。明るい場所でもノイズが目立つし、少し暗い場所で撮るとかなり画が破綻する。背面カメラはQRコードの認識やメモの撮影など、かなり割り切った用途に使うのがよいと思う。
一方、前面カメラは720pで、フルHDではないものの、ノートPCに搭載されているものと比べてもそれほど悪くない。手持ちのMacBook Pro(2018 Late)より映像のヌケがよく、ビデオ会議などに適している。
その前面カメラの位置は、横向きに持った際、真正面の上部に来るように配置されている。後述するスピーカーもそうで、「デュアルステレオスピーカー」は、横向きにした際にちょうどよい位置にある。
逆に縦向きで持つと、スピーカーを手で塞いでしまうことも多かった。iPadなどと異なり、基本的には横持ちでエンターテイメントを楽しむことをメインに考えた設計と言えるだろう。
なお、今回からUSB端子がUSB-Cになった。5Wの電源アダプターが同梱しており、これまでと比べ、さらに速く充電できるようになった。今後はUSB-Cが主流になるはずで、この変更は歓迎したい。
搭載されているプロセッサーはクアッドコアで、クロック周波数は2.0GHz。無印のFire HD 8はRAMが2GBで、Fire HD 8 Plusは3GBとなる。このあたりのプロセッサーとメモリの強化で、30%の高速化を実現したと説明している。
実際に触ってみると、たしかに、操作への反応でモタつく印象はあまりない。かといって、すごく速いわけではない。ストレスを感じるほど遅くはないが、何でもキビキビ快適に動くわけではなく、アプリの立ち上げなども、少し時間がかかる感は否めない。とはいえ、1万円を切る価格で、これだけきちんと動けば十分だと思う。
ゲームも遊んでみたが、Real Racing 3などでは、正直、かなりグラフィックが粗い。ポリゴン数が少なく、テクスチャーとポリゴンのあいだに白いラインが出たりする。
一方で「少女 歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-」では、2Dアニメが中心ということもあり、美しいグラフィックを、ある程度快適に堪能できた。高いグラフィック性能を求められるゲームでなければ、しっかりプレイできるということがわかった。