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本社を訪ねて分かった「HiBy」音質へのこだわり ― 2020年最新モデル「R3Pro」もチェック
このデュアルDACとハイパワーSoCというスタイルは、昨年発売の「R6Pro」に継承された。DACチップとSoCは同じものが継続採用されたが、オペアンプに新日本無線「MUSE8920」を4基、日本ディックスの4.4mmバランス出力端子“Pentaconn”など、最高水準のパーツを投入し音質に磨きをかけた(「R6Pro」過去のPhile Webレビュー記事はこちら)。
■Androidオーディオの課題を乗り越えたソフトウェアのこだわり
もうひとつ、HiByのDAPには大きなこだわりがある。それは「ソフトウェア技術」だ。
Android OS搭載モデルには、ネットワーク再生にも対応する独自のプレーヤーアプリ「HiBy Music」が同梱されているが、それだけではない。「DTA(Direct Transparent Architecture)」という、Android OSのSRC処理をパスする機構をいち早くDAPに採用したのがHiByであり、それはOS/ファームウェアの開発スキルを社内に擁していることの証明でもある。
一般的なAndroid OSでは、オーディオ信号は強制的に48kHz/16bitへとリサンプリングされてしまう。これを回避するため、Androidベースのハイレゾ対応DAPの多くは、特別設計のプレーヤーアプリを用意することで対策している。
しかし、例えば「Amazon Music HD」や「mora qualitas」のようなロスレス/ハイレゾ品質のストリーミングサービスを利用したい時には、やはりGoogle Playから入手したアプリでもSRC処理をパスできなくては本来の音を発揮できない。そこに気付き、すぐに手を打ったのがHiByというわけだ。
DTAは、標準的なAndroid OSのオーディオ再生機構を踏襲しつつも、DACへ直接データを流し込む機構だ。プレーヤーアプリの信号はリサンプリングされることなくDACチップに送られ、そしてアナログ信号としてヘッドホン端子から出力できるのだ。出力がBluetoothの場合も同様に、リサンプリングされることなく送出できる。
この機構はAndroid OSのソースコードに手を加えて“独自システム”を仕上げ、それを端末に組み込むことで実現している。プラグインやアプリの形で後から追加できるようなものではなく、Android OSの深層に位置しているのだ。
システムの深層に手を加えている以上、アプリの動作も個別に確認する必要があるが、孟氏いわく「かなりの数のサードパーティ製音楽再生アプリをテストしている」という。前述のAmazon Musicアプリも安定して動作するそうだ。
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