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本社を訪ねて分かった「HiBy」音質へのこだわり ― 2020年最新モデル「R3Pro」もチェック

公開日 2020/06/29 06:30 海上 忍
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中国では経験を持った技術者が独立し、成功を収めている企業が数多くあるが、「HiBy Music」(ハイビー ミュージック/以下、HiBy)もまた、専門知識と経験を武器にしたDAPで人気を集めている。

2019年12月末、海上氏が訪れたHiBy本社

2019年12月末、オーディオ・ビジュアル評論家の海上 忍氏がHiBy本社を訪問。創業者・孟 凡貴氏から、HiByのDAPへのこだわりについて語ってもらった。本記事ではそのこだわりを紹介すると共に、現時点で最新の国内導入モデル「R3Pro」の海上氏によるレビューを合わせてお届けする。


「R3Pro」(予想実売価格21,000円前後)

「根っからのエンジニア」が立ち上げた新進気鋭のブランド・HiBy

中国・東莞(ドンガン)。世界最大規模のIT/エレクトロニクス産業集積地・深センの隣に位置し、広州とともに「珠江デルタ地帯」を形成する人口840万の都市だ。ファンが目を剥く先進機能で名を挙げたオーディオブランド・HiByは、そこにある。

HiByオフィスの風景

HiByを擁する「東莞市海貝信息科技有限公司」の創業は2011年、デジタル家電のODM企業に勤務していた孟 凡貴氏により設立された。MP3プレーヤー開発で培ったノウハウを活かし、当初は他のオーディオメーカーにODM製品/ソフトウェアを供給していたが、2017年に自社ブランドのHiByを立ち上げ現在に至る。

他メーカーへのODM/ソフトウェア供給の実績を元に、2017年自社ブランド製品を発売した

「小さい頃から電子工作に夢中だった」という創業CEOの孟氏は、根っからのエンジニアだ。昨年当地を訪ねた折、彼は平易な言葉で淡々とプレゼンテーションを進めていた。ところが筆者がAndroid OSのSRC処理やALSA(Linux/Androidのサウンドシステム)との関係について質問した途端、体の向きを変え、口調に熱がこもり始めた。

HiByの創設者 孟 凡貴氏

製品のどの部分に苦心したか、どの部分が先進的なのか、今度はソフトウェア開発の専門用語を躊躇なく口にする。よくぞ訊いてくれた、といわんばかりの勢いだった。

HiByのこだわりが惜しみなく投入され、ブランドの人気を決定づけた初の製品が「R6」(現在は生産終了)。DACチップにはESS「ES9028Q2M」を左右各1基のデュアル構成で搭載、SoCにもパワフルな「Snapdragon 425」を採用するというAndroidベースのハイレゾDAPだ。

HiByブランド初のDAP「R6」(生産終了)

ヘッドホン出力は3.5mmシングルエンドと2.5mmバランスの2系統、筐体はアルミ製とステンレス製の2種類をラインナップ。充実のスペックにGoogle Playにも対応する拡張性も備えつつ、アルミ筐体モデルで5万円台というコストパフォーマンスは、DAPに新潮流を生み出した。

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