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本社を訪ねて分かった「HiBy」音質へのこだわり ― 2020年最新モデル「R3Pro」もチェック
DTAには、いわゆる「排他モード」と同じ効果も期待できる。Android OSに限らず、Windowsなど多くのOSでは、複数のアプリが同時に音声を出力できる仕組みを持つが、これは再生品質に芳しくない影響を与える。排他モードはこれを回避するために用意された、単一のアプリのみ音声出力を許可する仕組みで、DTAも考え方としてはこれと同じだ。
このように筋の通った機能にこだわり、開発に向けた動きも素早いHiBy。今後の計画を孟氏に訊くと、「新しいDAPの開発を続けることはもちろんだが、ワイヤレスオーディオにも注力し関連技術も蓄積されている。今年はワイヤレス/ウェアラブルの高品質な製品を多数投入していく予定」と力強い反応があった。楽しみに待ちたい。
■HiBy 2020年ラインナップの第1弾「R3Pro」をチェック
そのHiByが、2020年のラインナップ第1弾として投入したコンパクトサイズのDAPが「R3Pro」だ。手のひらに収まる小ささながらPCM 384kHz/32bit、DSD 22.4MHzネイティブ再生に対応、3.5mmシングルエンドにくわえ2.5mmバランス端子を装備という機能充実の1台である。
2018年夏に発売された「R3」の後継という位置付けで、3.2型 IPSマルチタッチ液晶や側面の物理ボタンなど、操作性/デザインはほとんど変化していないが、その内部は見直されている。
音質の核となるDACチップは、シーラスロジック社製「CS43131」を採用。左右それぞれに搭載するデュアル構成だ。CS43131は高精度なヘッドホンアンプを内蔵しており、このアンプ回路を活用することで、音質を向上させつつも小型サイズもキープ。さらに最大20時間もの再生時間を獲得できたのだ。
クロックシステムには日本電波工業社製の低位相ノイズ・アクティブ水晶発振器を採用し、デジタル信号からアナログ信号に変換する際に生じてしまう時間のゆらぎ(ジッター)を抑制。さらに44.1kHz系と48kHz系と2種類にわけ、それぞれの整数倍のハイレゾ信号に対して対応することで、大幅なジッター低減を狙っている。
サウンドは筆者の予想を大きく超えた。CS43131をデュアルで積むというだけでなく、日本電波工業社製クロックを2系統搭載した効果か、高域方向の情報量が多くサウンドステージが広い。アコースティックギターのハーモニクスも余韻を感じさせ、演奏の微妙なニュアンスと雰囲気を生々しく伝える。高速なアルペジオも“団子”になることなく、ほぐれて聴こえるところがいい。
OSは独自に開発した「HiBy OS」を採用する。Linuxベースであり、サウンドシステムに近いコアな部分には創業以来の知見が生かされており、その点ではR6ProなどAndroidベースの上位モデルと変わらない。
ユーザーインターフェースもR6Proに収録のプレーヤーアプリ「HiBy Music」とよく似ており、DLNAやAirPlayを利用したネットワーク再生、10バンドのイコライザ、直接DSPに働きかけPEQと音場調整を行う「MSEB」にも対応するなど、機能面でも遜色ない。
その小ささと2万円台という価格、そしてBluetoothがサポートされることもあり、初めてのハイレゾプレーヤーや、オーディオファンがアクティブに使うセカンド機として活躍することだろう。加えてWi-Fi経由でネットワーク再生も可能なため、自宅のオーディオシステムに組み込んでも十分楽しめる。
また、Type-C端子を利用すればUSB-DACとしても、ヘッドホンアンプとセットにしてデジタルトランスポートとしても使えるだろう。幅広いオーディオファンに推奨できる1台だ。
(企画協力:飯田ピアノ)