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ソニー「SA-Z1」は「音楽体験の次元が違う」ニアフィールドスピーカーだ!「DMP-Z1」との超高級コンビで聴く!
また、左右のスピーカー間は専用のデジタル同期ケーブルで接続。高精度のマスタークロックを用いて左右スピーカーを共通クロックで動作させて音声遅延量を補正、それぞれのスピーカー内のドライバー直近までデジタル信号のまま伝送し、デジタル音声処理を高精細に行うことで、左右間の音声のゼロレイテンシー伝送を実現した。このように、理論上の“正しい音の出る設計”をパワード型で作り上げてしまったスピーカーなのだ。
入力端子はUSB-B端子がPCM 784kHz/32bitとDSD 22.4MHzまでに対応。ウォークマン端子はPCM 384kHz/32bitおよびDSD 11.2MHzに対応し、他にPCM 96kHzまで入力可能な光デジタル端子、そしてステレオミニ、XLR、RCAを搭載している。
今回はソニーが提案する新たなリスニングシステムを体験するべく、主に「DMP-Z1」との“Signature Series”コンビで試聴を実施した。
■音像定位と解像力に驚く。スピーカーの存在は完全に消える
試聴システムは自宅のPCデスクに設置。PCモニターを挟んで「SA-Z1」を左右に設置するという、一般的なデスクトップオーディオに近いスタイルを採った。「DMP-Z1」の再生ボタンを押した瞬間から、衝撃な音楽体験の始まりだ。
まず、僕が最もよく試聴する宇多田ヒカルの『あなた』。「SA-Z1」で聴くと驚く。左右2台のスピーカーの中央にハッキリと歌声の音像が定位。その音像の立ち上がり具合が凄まじく、そこに宇多田ヒカルの姿があって声を発していると知覚するほど。スピーカーの存在は完全に消え、手を伸ばせば届くほどの至近距離から歌声が迫ってくる。これまでさまざまなオーディオ機器を試してきたが、こんな体験は初めてのことだ。
ステージの目の前で音楽を聴いているような感覚で、バンドやオーケストラが自分の前の半径50cmの空間で全ての音が存在。それでいて各楽器の定位はしっかりしており、指を差して位置を指示できるくらいに極めて精緻な音空間を展開する。そして、もう少しスピーカーに近づき試聴距離30cm程度まで近づくと音場が変わり、ドラムセットの前数十センチの位置に立ち会うような、今までににない臨場感、没入感が生み出される。
「SA-Z1」は個々の音があまりにリアルで、宇多田ヒカルのハスキーな歌声まで鮮明でブリリアント。音色にはエネルギー感がありつつも高域まで歪みもなくスムーズな自然さ。そして音が空間に消え入る最後の描写までもが正確で、音の奥行きまで再現される。さらに、低音すらも淀みなくタイト。楽器どうしの音の重なりも、卓越した奥行き感、立体感できっちりセパレーションして再現してしまう解像力に驚いた。
■オーケストラもジャズもEDMも巧みに表現
ひとたび「SA-Z1」で音楽を聴き始めると、音楽的な体験が面白過ぎて、時間を忘れて次々に聴き込んでしまう。他にもいくつかハイレゾ音源のインプレッションをお届けしたい。