【特別企画】マイク技術を活用した外音取り込みも秀逸
Shure初のノイキャンBTヘッドホン「AONIC 50」は、音質も機能もすでに“横綱級”の逸品だ!
■ノイキャンなどはアプリで設定。USB-DAC機能も搭載
ペアリングする関係上、諸設定をスマートフォンアプリに委ねることはBluetoothヘッドホンのトレンドだ。AONIC 50も例外ではなく、iOS/Android OS向けに無償提供される「ShurePlus Play」を利用すれば、ノイズキャンセルのモード変更(最大/ノーマル)、外音取り込みのレベル変更(10段階)を行うことができる。
右ハウジングには各種操作用のボタンを搭載し、ANCオン/外音取り込みオン/すべてオフの切り替えもスライドスイッチで直感的に操作できる。より細かい調整が必要な場合はアプリを利用すべしというわけだ。
しかもこのアプリ、用途は設定だけに留まらない。Android版はハイレゾ対応のローカルファイル再生に、iOS版はiTunes音楽ライブラリの再生に対応し、プレイヤーアプリとして利用できる。他のアプリ/サービスについてはそのアプリ内のEQを使う必要があるが、パラメトリックEQを使えば音質調整も楽しめる。
スマートフォンだけでなく、PCとの接続性も考慮されている。内蔵のヘッドホンアンプは最大96kHz/24bitのUSB-DACとしての機能も備え、PCとUSBケーブルでつなぐだけで利用できる。mora qualitasやAmazon Music HDといったハイレゾストリーミングサービスをPC直結で楽しめるのは大きなアドバンテージといえるだろう。
■BTヘッドホンとしてかなりの高みに到達。ノイキャンも絶妙
AONIC 50はBluetoothヘッドホンだが、ワイヤードヘッドホンでも、USB-DAC内蔵のデジタル接続ヘッドホンでもある。Bluetoothは利用できるコーデックがAndroidとiPhoneで差があるうえ、音源がファイルかストリーミングかで印象は大きく変わる。さらにノイズキャンセルの要素も加わるのだから、音質評価は一筋縄ではいかない。
そこで、Bluetooth環境をAndroidスマートフォンからLDAC接続でファイル再生、ワイヤード環境をUSB/デジタルでMacに接続し、Amazon Music HDのストリーミング再生を試聴することにした。ノイズキャンセルの確認は、屋内や電車内、ロードサイドのカフェといった環境で試している。
まずはUSB/デジタルのワイヤード接続から。PCM/ロスレス音源を再生することで、ドライバーとヘッドホンアンプ本来の特性を窺い知ろうという目論見だったが、まんまとShureの術中にはまることとなる。
ドライバーは制動よく音の輪郭を緻密に描き出し、高域までスムーズに伸びる。ブラスセクションには適度な光沢があり、アコースティックギターの倍音も心地いい。ややモニター傾向だが低域には適度な量感があり、音域全体のバランスの妙を感じる。Amazon Music HDのコンテンツを楽しむには十分な実力だ。