[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第257回】
ドラム好き必聴!あのZildjianのイヤモニを日本が誇るドラマー3人の曲でチェック
■最!高!峰!高橋幸宏さん「End Of An Error」
最後は高橋幸宏さん「End Of An Error」。ここまでとは打って変わって速くも激しくもなく、曲の雰囲気や展開も穏やかなものなのだが……
シンプルなビートにニュアンスを与えまくることにおいて最高峰にあるお一人が、高橋幸宏さん! スネアだけに耳を凝らすなんて分解的な聴き方をしても、フレージングの巧みさとか以前に音色だけに耳を凝らしてみても、その凄みはわかると思う。
例えばAメロとサビのスネアを聴き比べてみてほしい。Aメロのスネアは沈み込むような重めの響き。対してサビのスネアはパッと抜ける軽やかな響き。その響きの違いが、サビでのふっと軽くなるような雰囲気を生み出す要素の一つとなっている。
その響きの違いはおそらく、Aメロでは打面をぐいっと押し込むようにして音を押さえ込み、サビではヒットの反発で自然に離れるようにという、スティックコントロールによるものだ。
…とはいっても、話として分かりにくいかもしれない。ならばスマホの背面などを指先で叩いてみて、「叩いた指先をスマホから離さずそのまま押さえ込む」「叩いた反発で指先をぱっと跳ね返らせる」というのを試してみてほしい。叩き方での音、響きの変化を実感できると思う。そういうコントロールによってドラムのニュアンス、曲の雰囲気を作ることもできるというわけだ。
音楽的なドラミングというものは、そういった要素が有機的に組み合わせって構成されている。それは幸宏さんに限ったことではないが、幸宏さんのそれは驚異的な高みあると思う。ジルジャンイヤモニはその見事さもはっきりと再現し、届けてくれた。
■ジルジャンイヤモニは、ドラマーにもリスナーにもフィットする!
というわけで……
結論! ジルジャンのイヤモニはドラムを叩くドラマーだけでなく、ドラムが好きなリスナーにもフィットします!
そういう意図での音作りではないのだろうが、結果的に、ドラマーのためのチューニングはドラム好きにも響くものとなっている。その上に「あのジルジャンのイヤモニ!」という嬉しさまで付いてくるのだ。
ドラマーな方も、ドラムが好きな方も、これはぜひチェックしてみてほしい。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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