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JBL PRO「Control 5」が約20年ぶり復活!往年の人気機種、現代における実力とは?
■最新ソースを含めて音質をテスト。抜けと音離れの良さが魅力的だ
スピーカーと対面し、まず感じ入ったのは、武骨なデザインだ。存在感のある黒のキャビネットで、金属製のサランネットの中に2つのユニットと斜めに切り込まれたバスレフポートが見える。これはまさに、プロフェッショナルユースのそれだ。
スピーカーのセッティングは、左右の間隔を1.9mとした。本格試聴前に軽く音を出して確認したところ、後方の空間を広く取るフリースタンディングよりも、ある程度壁に寄せた時の方が、低域の量感を中心にウェルバランスに聞こえたので、壁から20cm離した位置に設置している。またユニットの配置が左右非対称ではないので、2本を若干内ぶりにしてセンターの音像定位を調整した。
試聴では、現代のCD/レコード/ハイレゾと、複数の試聴ソースをスクランブルテスト。1980年代に一世を風靡したサウンドを、このように聴取できる機会は珍しい。「どのような印象を受けるのだろう」と、試聴前から気持ちが高まった。
音質の結論を先に述べると、癖がない音調だ。また、帯域バランスは中高域が若干持ち上がり気味で、ボリュームよりもレスポンスを重視した低域が印象的。これは筆者が1980年代に聴いたコントロールシリーズに共通する、抜けが良く音離れの良いサウンドだ。また、スタジオモニターとしてソースの音をストレートに出す傾向も聴き取れる。
■ライブハウスで聴くような臨場感で再生
今年のグラミー賞で、最優秀ロックアルバム賞を受賞したケイジ・ジ・エレファントのアルバム「Social Cues」から、「Broken Boy」をハイレゾ楽曲ファイルで聴いた。ボーカル、ギター、ベースがリスニング位置に飛び込んでくるのではないかと思えるほど、実体感を伴っており、前に飛び出してくる音だ。ギミックのないローファイ感が魅力な本アルバムの音楽性をそのまま表現してくれる。このままライブのようにインプロビゼーションしてしまうのではないかと思えるほど、ノリの良い音。まさにライブハウスで聴くような臨場感あふれる音がする。
次に、ソースにCDを用いて、ソニー・ロリンズがブルーノートに残した4枚目のリーダー・アルバム「ニュークスタイム」(CJ28-5150)を再生した。重量感のあるダグ・ワトキンスのベースとフィリー・ジョー・ジョーンズのドラム表現が秀逸。そこにロリンズのテナーサックスが咆哮する。音にパンチがあって音楽的にバランスが良く、これぞ多くの方が期待するJBLサウンドであろう。分解能も悪くなく、スピーカーとしての完成度の高さを実感する。やはりジャズやロックと相性がよい印象だ。
次にR&B(ポップス)から、ビルボードチャート常連の人気R&Bアーティスト、パーティーモバイルのアルバム「PARTYNEXTDOOR」(96kHz/24bit)を再生した。実は本タイトルは筆者のマル秘試聴曲で、音量のある低域表現をコントロールしながら、R&Bらしいメローなテンポを上手に再現できるかがポイントである。実際に聴いてみると、スピーカー中央に現れる深く弾力感のあるエレクトリックベースが上手に表現されており、タイトに定位するボーカルも聴き取れる。現代の楽曲への追従力もありそうだ。
最後にアナログ再生との相性もチェック。「スターウォーズ」や「ジュラシックパーク」など誰もが知る映画のテーマ曲を、作曲者自らウィーンフィルを率いて演奏した話題のクラシック、ジョン・ウィリアムズ「ライヴ・イン・ウィーン」から、人気の「スターウォーズ ダースベーダーのテーマ」を再生した。結果、クラシックも予想以上のサウンド。エンクロジャー外側にフワッと広がるサウンドステージ表現が秀逸で、聴感上のDレンジも広く、音が前へ出てくるので、抑揚表現への追従力が高い。
Control 5-Y3はJBLのプロフェッショナル向けブランドに属すスピーカーなので、本来はプロ用途のスピーカーである。だからキャビネットデザインなどがシンプルで、派手さや豪華さはない。しかし、投入したコストに対する性能を何よりも重視するプロの世界で揉まれているだけあり、音質的なコストパフォーマンスは大変優れていた。
プロ向け機器なのでもともと高い耐久性を誇るが、さらにヒビノによる保証を加えた3年間の長期保証なので安心。それでいてこの価格設定は、本機の大きな魅力のひとつといえる。現代においても、憧れのJBLサウンドを安価に手に入れられることは何より嬉しいところだ。
(協力:ヒビノ株式会社)